不動産仲介サービス「ietty」を運営するiettyはこのほど、「ietty」の登録状況から「卒業大学別引っ越しニーズ調査」を実施、結果を公表した。調査対象者は、主に首都圏での引っ越しを希望する早稲田大学および慶応義塾大学の卒業生で、20代~40代の男女410人。「ietty」登録時の属性・希望条件・要望コメントを分析して集計した。

卒業後も勤務先に関わらず、住み慣れた街に定住する傾向がみられた

両校の卒業生が「住みたい駅」のランキングは、早稲田の卒業生が1位「恵比寿」(8.0%)、 2位「新宿」(7.2%)、 3位「早稲田/高田馬場」(6.8%)となった。一方で、慶應義塾の卒業生は1位「恵比寿」(15.0%)、 2位「田町/三田」(8.1%)、 3位「中目黒」(8.1%)という結果となった。

早稲田大学は「高田馬場」と「早稲田」、慶應義塾大学は「田町」と「三田」が最寄り駅となるが、卒業後も住み慣れた駅や街を気に入って定住する傾向が見受けられ、両校とも母校への愛校精神が強いことが見て取れる結果となった。

それぞれの住みたい駅の分布を見ると、早稲田の卒業生は新宿区・北西エリア、慶應義塾の卒業生は港区・南西エリアとふたつに分かれる傾向が見られた。分岐点は両校で1位の「恵比寿」となっており、それぞれの大学の最寄り駅を中心に分布が広がっている。

住みたい駅の分布は、早稲田の卒業生は新宿区・北西エリア、慶應義塾の卒業生は港区・南西エリアに

また、駅選びの傾向を見ると、早稲田の卒業生は「新宿」(2位)、「早稲田/高田馬場」(3位)、「中野」(4位)、「渋谷」(6位)と繁華街を多く選ぶ傾向にあった。一方で慶應義塾の卒業生の駅選びを見ると、「中目黒」(3位)、「自由が丘」(4位)、「三軒茶屋」(8位)、「麻布十番」(10位)と、いわゆる"オシャレな街"が多く選ばれていた。

早稲田は「バンカラ」、慶應は「都会派」な駅選び?

物件の希望条件では大きく差は開かなかったものの、コメント欄で設備・環境面を重視した希望を出している人が多く、具体的な希望に違いがみられた。早稲田の卒業生は「防音壁」「大通りはNG」など静かさを希望する人が多く、「●●駅から●●駅間であれば可」というエリア指定も目立った。慶應義塾の卒業生には、デザイナーズ・タワーマンション・高層階など、建物や内装のクオリティー・デザイン性にこだわる希望が多く見られた。

早稲田の卒業生は「静かさ」を、慶應義塾の卒業生は「クオリティ・デザイン性」を求める?

早稲田の卒業生から寄せられた希望コメントとしては、「静かな場所」「古くても中が奇麗であれば可」「住人がうるさくないところ」「リノベーションなどできれいな内装であれば、築年数はあまり問いません」「町内会に強制的に加入させられるエリアは避けたい」「ありきたりなマンションよりは、オリジナリティーに富んだ物件に引かれます」などがあった。

一方で、慶應義塾の卒業生からの希望コメントは、「オシャレ・ラグジュアリー感(デザイナーズ、タワーマンションなど)」「階数(最上階、5階以上など)」「子どもの暮らしやすい環境を考慮(学区、防音、公園など)」「ホームパーティーなどが開催できるような場所だとありがたいです」「ヒルズのスタバまで散歩できる距離が理想です」「オシャレな物件がいいです」「小さい子どもがいるので、できれば防音物件希望です」などが寄せられていた。

家賃帯を見ると、6万円以下の単身価格帯では約2.5倍の差をつけて早稲田の卒業生の比率が高く、逆に20万円を超える高価格帯家賃になると慶應義塾の卒業生が多くなり、26万円以上になると7倍以上の差がついた。また家賃の平均額で見ると、早稲田の卒業生が10.5万円、慶應義塾の卒業生が11.4万円と、慶應義塾の卒業生の方が9,000円高い結果となった。

平均家賃は慶應義塾の卒業生が11.4万円で、早稲田の卒業生より9,000円高い

なお、プラネットが4,400人の一般回答者を対象に行った「初めての一人暮らし」に関する意識調査では、「一人暮らしの部屋を選ぶ際に重視した点」として「家賃」(74.9%)が最も多く上がり、次いで「学校・会社からの距離」(53.4%)、「駅からの距離」(40.3%)、「間取り」(39.9%)、「部屋の広さ」(39.4%)と続いていた。