作家で元東京都知事の石原慎太郎氏(83)が、25日に放送されたTBS系『ぴったんこカン・カンスペシャル』(19:56~)にゲスト出演し、『火花』で芥川賞を受賞したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹(35)に次回作に関してアドバイスした。

ピースの又吉直樹

次男・良純と高田純次が、石原氏の自宅を訪問。行きつけの老舗イタリアンに場所を移し、そこで『火花』の話題になった。石原氏といえば、『太陽の季節』で1955年に第34回芥川賞を受賞し、1995年から2012年までは同賞の選考委員を務めたことでも知られる。

最近の小説は「いいものだったら読む」という石原氏。『火花』について、「大阪弁あまり好きじゃないんだけど読んだ」「面白かった」と評価。その一方で、「彼はやっぱり次が難しいな」と冷静に分析し、「次どんな作品を書くかな」と期待を寄せた。

その上で、自身の経験から「同じものを書いたら絶対ダメだね」「芸人の世界なんか書いたらダメ」「才能があったら、違う題材を見つけてやらざるを得ない」などと助言。『太陽の季節』の次に『冷たい顔』を発表した当時を振り返った。

『冷たい顔』は、「随分期待されて」と挑んだ意欲作だったが「世評が『期待外れだ』と言った」。ところが担当した編集長の「石原さん、絶対に気にしちゃいけません。あなたがこういう小説を書けるということは、とても大事なんだから。私はとても評価します。あなたの可能性が分かります」の言葉が、石原氏を救った。

その編集長が念を押していたのが、「絶対に同じような小説を書いたらダメです」。石原氏は今でも書き続ける生活を送っているそうで、「書くことが仕事だし、書いてないと気持ちが休まらない」と語っていた。