ディスコは全国の主要企業を対象に、「外国人留学生の採用に関する企業調査」を実施した。調査は11月26日~12月4日にかけて行い、609社から有効回答を集めた。

外国人留学生の2016年度の採用を見込んでいる企業は57.1%

調査に回答した企業のうち、大卒以上の外国人留学生を雇用している企業は50.6%と半数を超えており、そのうち2016年度の採用を見込んでいる企業は57.1%だった。2016年度の採用予定を従業員規模別でみると、従業員数1,000人以上の企業は「採用予定あり」が71.8%、1,000人未満の企業でも半数を超えている。

左から「2015年の採用実績」、「2016年の採用見込み」

2015年度に外国人留学生を採用した企業の採用人数は、全体の78.5%が3名以下だった。従業員1,000人以上の大手企業では「11名以上」が1割(10.5%)を超えており、企業規模が大きくなるほど採用人数も多い傾向が見られた。

2015年度の外国人留学生の新卒採用実績(従業員規模別)

外国人留学生が就いた職種について尋ねたところ、製造業では「研究・開発・設計関連」が37.0%と最も多く、次いで「国内営業」28.3%、「IT・ソフトウエア関連」21.7%となった。非製造業では「IT・ソフトウエア関連」が38.8%と最も多く、製造・非製造ともにIT技術者の人材が求められていることがわかる。

外国人留学生を採用する目的は、文系・理系ともに「優秀な人材を確保するため」が最も多かった(文系68.1%、理系73.2%)。次いで「外国人としての感性・国際感覚等の強みを発揮してもらうため」(文系で46.3%、理系で43.9%)が多い。「ダイバーシティ強化のため」も3割を超えた。

外国人留学生を採用する目的

外国人留学生を採用したことによる社内へのさまざまな影響を尋ねた。好意的な影響としては、「異文化・多様性への理解の向上」(71.3%)、「日本人社員への刺激・社内活性化」(69.0%)、「グローバル化推進への理解、意識醸成」(57.5%)が上位3位だった。

外国人留学生採用による社内への好影響の内容

一方、外国人留学生を採用することにより社内で起きた「問題」について聞くと「文化・価値観、考え方の違いによるトラブル」(66.1%)が最も多かった。「言葉の壁による意思疎通面でのトラブル」(64.5%)や、「受け入れ部署の負担増」(41.9%)を挙げた企業も多い。