トレンド総研は、 現在、大学、大学院、短期大学に通っている就活生300名を対象に「就活生の社会問題への意識・理解に関する調査」を実施した。調査期間は8月6日~12日。

文理で意識・関心に大きな差

まず、社会問題を「政治・行政」「経済」「社会制度」「資源・エネルギー」「環境」「災害・事故」「犯罪・治安」「外交・国際社会」の8つのテーマに分け、意識・関心が高いのはどんなテーマなのかを調べた。

その結果、テーマに対する意識・関心については、理系と文系の大学生の間で大きな差が見られた。理系の大学生の意識・関心が高いテーマは、「環境」(68%)、「資源・エネルギー」(65%)、「災害・事故」(57%)であったが、文系の学生は「政治・行政」(76%)、「社会制度」(73%)、「経済」(68%)となっている。

大学生が意識・関心が高いとした社会問題のテーマ。左から理系、文系

特に、「エネルギー・環境問題」については、両者の差が顕著で、理系の大学生にとっては上位2テーマだった「環境」(理系:第1位・68%、文系:第7位・61%)と「資源・エネルギー」(理系:第2位・65%、文系:第8位・59%)は、文系では意識・関心が高いテーマの中で下位2つとなった。

社会問題に対して、大学生はどのように情報収集をしているのか尋ねたところ、最も多かった回答は「インターネット」(78%)だった。幅広くパソコンやスマートフォンを利用している就活生においては、「テレビ」(72%)、「新聞」(62%)といったメディアよりも、インターネットの影響力が上回ることが分かった。

大学生が利用している社会問題について知るための情報源

環境問題では「地球温暖化」に関心あり

続いて、社会問題の中でも、エネルギー・環境問題にフォーカスして調査を行った。大学生の関心度が最も高い環境問題のテーマは「地球温暖化」(68%)で、2位の「大気汚染」(43%)の1.5倍以上となっている。

エネルギー問題については、各テーマの関心度は総じて高かった。中でも、特に関心を示した人が多かったのは、「原子力発電のニーズとリスク」(75%)、「太陽光発電などの再生可能エネルギー」(73%)、「二酸化炭素の排出量と温暖化リスク」(72%)といったテーマだった。

大学生の関心が高いエネルギー問題のテーマ

エネルギー・環境問題に関する10個の情報に対して、それぞれを正しく理解できているか調べたところ、最も正答率が低かったのが原子力発電所の稼働停止に関する設問で、正答率は46%だった。次いで正答率が低かったのは、電気料金の値上がりと再生可能エネルギーに関する設問(49%)となっている。

エネルギー・環境問題に関する10個の情報と正答率