日本経済研究センターは11日、民間エコノミストら40人(機関)による景気予測をまとめた2015年8月の「ESPフォーキャスト調査」の結果を発表した。それによると、2015年4~6月期の実質成長率予測(前期比年率)は前月比2.27ポイント低下の1.55%減となり、大幅な下方修正となった。マイナス成長は3期ぶり。輸出の悪化が影響した。

2015年4~6月期実質成長率予測の推移(出典:日本経済研究センターWebサイト)

消費者物価予測も下方修正

2015年度の実質成長率予測は1.21%増と、前月の1.66%増から下方修正。2016年度は1.74%増と、前月の1.73%増から0.1ポイント上昇した。

実質輸出等の予測値を見ると、8月は前期比3.24%減と前月(0.10%減)より悪化。2015年度についても、前年度比2.87%増と前月(5.73%増)より悪化し、ともに大幅な下方修正となった。

消費者物価の上昇率予測は、聞き取りを行っている2015~2017年度の全てにおいて前月から下方修正となった。足元で再び弱含んでいる原油価格の動向が影響したと見られる。

日銀の物価目標「2%上昇」について、この数年以内に達成できるかフォーキャスターに尋ねたところ、19人が「はい」、20人が「いいえ」と回答。達成可能と答えた人のうち、2016年度中の達成は前月から1人減の4人となり、厳しい見方が続いている。