JR東日本の新型車両E353系量産先行車が落成し、25日に総合車両製作所横浜事業所を出場した。中央本線・篠ノ井線の特急「スーパーあずさ」に使用されるE351系の老朽化にともなう置換えを目的に、性能評価や技術検証を行うために製作された。

E353系量産先行車。車体前面にロゴもデザインされた

今回落成したのは付属編成3両(S201編成、1~3号車)・基本編成9両(S101編成、4~12号車)の計12両。車両番号は1号車から「クモハE353-1」「モハE353-1001」「クモハE352-1」「クハE353-1」「モハE353-501」「モハE352-501」「モハE353-2001」「サハE353-1」「サロE353-1」「モハE353-1」「モハE352-1」「クハE352-1」。先頭車の車体前面・側面に「E353 EAST JAPAN RAILWAY COMPANY」のロゴもデザインされた。

1・12号車(先頭車)には赤色反射板が取り付けられ、12号車の車体前面はブルーシートで覆われた。客室のカーテンも下ろされており、車内の様子を見ることはできなかった。同車両は車体前面に貫通扉を持ち、3・4号車の連結部に貫通路が設けられ、付属編成・基本編成の通り抜けが可能な構造に。落成間もない新型車両を見ようと多くの鉄道ファンが集まり、真新しい車体を眺め、カメラを向けていた。

E353系量産先行車は、現行車両E351系の「振り子式車体傾斜方式」とは異なる「空気ばね式車体傾斜方式」を採用。最高速度は時速130kmで、E351系と同等の走行性能を実現したという。一部先頭車とグリーン車で動揺防止装置も採用し、乗り心地も向上させた。室内照明や車内案内表示器をLED化し、各座席にパソコンを置けるテーブルとコンセントを設置。各車両で空気洗浄機も使用される。外観はE351系のカラーなどを引き継ぎつつ、新時代のダイナミズムも表現。観光・ビジネスの両方に対応したデザインとなった。