お笑いコンビ・ピースの又吉直樹にとって初の純文学作品となる小説『火花』(2015年3月発売/文藝春秋)が、オリコン2015年上半期"本"ランキング(集計期間:2014年11月17日~2015年5月17日)の文芸・小説部門で1位、BOOK(総合)部門で4位になったことが5月31日、明らかになった。

小説『火花』を執筆したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹

同ランキングは、全国3,131店舗(WEB通販含む/2015年5月現在)を対象に行われた書籍売り上げ調査。『火花』は期間内に32.2万部を売り上げた。文芸・小説部門でお笑い芸人執筆小説が1位になるのは2008年の上半期同部門発表開始以来、初のこと。劇団ひとりの『陰日向に咲く』(2006年1月発売/幻冬舎)が2008年上半期に獲得した同部門3位、期間内売り上げ14.1万部をいずれも上回った。

さらに、総合部門にあたるBOOK部門での4位は、文芸・小説作品としては今年上半期唯一の総合トップ10入りとなる記録。同部門のトップ5入りは、2013年上半期で村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(2013年4月発売/文藝春秋)が1位となって以来、2年ぶり。お笑い芸人執筆小説では、2008年上半期で麒麟・田村裕の『ホームレス中学生』(2007年9月発売/ワニブックス ※当時はタレント本に分類)が4位を獲得して以来2度目となる。

この結果を受け、又吉は「2015年、上半期"本"ランキングで『火花』が総合4位になったと聞きました。ありがとうございます。総合4位とてもうれしいです。総合4位は初めての経験です。自分の小説が皆様に読んでいただけることは本当にうれしいです。まだ読んでいない方々にも、ぜひ読んでいただきたいです。いつか、『総合4位』という題名の小説を読んでみたいです」と喜びのコメントを寄せた。

売れない芸人・徳永と、その彼が師と仰ぐ先輩芸人・神谷の姿を通して、「笑いとは」「才能とは」「生きるとは」「人間とは」を描いた同作。作品を発表した文芸誌『文學界』(文藝春秋)2月号を史上初の増刷に導いたり、第28回三島由紀夫賞の候補作品に選ばれたりと、発売以降も話題を呼んでいる。