富士経済は16日、パワー半導体の世界市場の調査結果を発表した。それによると、2020年のパワー半導体世界市場は2014年比37.0%増の3兆3,009億円に拡大すると予想している。自動車向け需要に期待感があるという。

パワー半導体の世界市場(販売ベース)(出典:富士経済Webサイト)

パワー半導体は、シリコンと次世代パワー半導体(SiC、GaN、ダイヤモンド、酸化ガリウム)に分類される。シリコンパワー半導体は、民生機器分野向けの伸びが鈍化しており、代替として自動車・電装分野向けに期待するメーカーの注力先シフトがみられるという。一方、次世代パワー半導体は、SiCパワー半導体の用途先の裾野が広がりつつあり、さらに2015年はウェーハの大口径化を見据えた展開が顕在化すると考えられ、設備投資や製品ラインアップ拡充の動きが期待されるという。

2014年のパワー半導体の世界市場(販売ベース)は2兆4,092億円。このうち次世代パワー半導体の世界市場は129億円で、2020年には2014年の12.9倍に当たる1,665億円に増加すると見込んでいる。

2014年のパワー半導体構成部材の世界市場(生産ベース)は1,505億円で、2020年には2014年比59.2%増の2,396億円に拡大する見通し。2014年のパワー半導体製造装置の世界市場(販売ベース)で、2020年には2014年の2.1倍となる3,034億円に増加すると推計している。