女優の樹木希林が主演を務める、河瀨直美監督の映画『あん』(5月30日公開)の予告映像と場面写真が3日、公開された。

内田伽羅(左)、樹木希林(中)、永瀬正敏

本作の原作は、作家、歌手、パーソナリティーとして幅広く活躍するドリアン助川氏の著書『あん』。初の劇場映画『萌の朱雀』(1997年)でカンヌ国際映画祭新人監督賞を史上最年少で受賞し、『殯の森』(2007年)で同映画祭にグランプリを受賞した河瀨直美監督がメガホンを取り、主演は、2008年に紫綬褒章を受賞し、2013年には『わが母の記』(2012年)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた、女優・樹木希林が務める。

さらに、樹木演じる徳江が"働きたい"と懇願するどら焼き屋の店主で、暗い過去を持つ千太郎を演じるのは、俳優の永瀬正敏。河瀨直美監督自ら永瀬に熱烈オファーし、初の河瀨直美監督作品出演となった。また、徳江と次第に心を通わせる女子中学生・ワカナ役を『奇跡』(2011)で樹木と初共演を果たした、樹木の実の孫娘・内田伽羅が熱演。元ハンセン病患者である徳江が暮らす療養所内の喫茶店で働く佳子を、50年以上の役者生活で樹木とは初共演となる市原悦子が演じる。ほかにも浅田美代子、水野美紀ら実力派が作品を彩る。

徳江がどら焼き屋を訪れるところから始まる予告動画。そのあまりのおいしさに、店で働くことを提案する千太郎。徳江と千太郎のやりとりには、ほのぼのと笑いがこぼれるシーンが描かれる。彼女の作る粒あんがきっかけで店は繁盛するが、かつてハンセン病を患っていたことが近所でうわさに。潔く店を去った徳江を、千太郎は徳江を慕っていた女子中学生・ワカナと共に追う。映像では、「こういう仕事を一度してみたかったの」と一時のつつましい幸せを抱きしめる徳江と苦悩する千太郎の姿を、秦基博のバラード「水彩の月」が包み、涙を誘う構成となっている。


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