タワーズワトソンはこのほど、「2014/2015年版 グローバル50報酬レポート」を発表した。それによると、アジア太平洋地域において、上級役員およびトップマネジメントの基本給が最も高い国はシンガポールとなった。

シンガポールの報酬レベルは、アジア太平洋地域で2番目に高い香港を約10%上回った。シンガポールと香港では、基本給の水準が約3~4%上昇したのに対し、トップマネジメント層では約6~8%上昇した。また、エグゼクティブ層のシンガポールにおける平均年間基本給は約58万6,000米ドルで、香港の44万5,000米ドルとの差は僅かながら縮小した。

香港における製造業と手工業の一般作業員の基本給は中国の約3倍。幹部補佐や専門職ではその差は約2倍に縮まり、それ以上の職位では香港の方が約20~40%高い。ただ、中国と香港の給与格差は縮小しており、特に手工業と製造業を見ると、中国は平均9~15%上昇したのに対し、香港の上昇率は平均2~3%にとどまっている。

なお、上海における上級役員に対する給与は香港より10%低いだけだが、これは、もともと人材が不足している上海で獲得競争が熾烈さを増している事情をある程度反映しているという。

一方、台湾の基本給は引き続き停滞。サポートスタッフレベルは中国本土より約30%高いものの、幹部補佐および専門職レベルは中国が台湾を上回り、さらに上級役員に至っては中国の方が約70%高かった。