故・いかりや長介が"法廷荒らし"の異名を持つ凄腕弁護士・猪狩文助を演じた人気シリーズが、俳優・柄本明主演で復活する。柄本にとって23年ぶりの地上波ドラマ主演作となる新作第1弾『新法廷荒らし猪狩文助~終の棲家~』は、TBS系列で3月16日21:00~22:54に放送される。

猪狩文助を演じる柄本明

とぼけた性格としたたかな作戦で法廷を煙に巻きながら核心に迫っていく猪狩文助と、仕事に燃える新米弁護士・夏目理恵子が、事件を巡って推理を繰り広げる同シリーズは、2001~2003年にいかりや長介主演で5作を放送。このたび、柄本がそのバトンを引き継いだ。

柄本は、いかりや長介からのバトンについて「ものすごく特別なものがなくはないですけど、ある意味ではいつもと一緒」と言うも、「頑張らなくちゃという気持ちがある」とコメント。「いかりやさんのも見させていただいて、それもどこかで踏襲しながらやっているんじゃないかと思います」と語った。

そして、「わがままで傍若無人な人で、意地悪を言ったりとか、そういうのが好きかな」と猪狩という人物の魅力を伝え、「わざわざ嫌なことを言うってのはおもしろいですよ」と演じる楽しさを説明。シリーズ化も「なればいいなと思います」と意欲的な柄本は、「いかりやさんじゃなくなっても見ていただきたい(笑)」と前シリーズのファンにも呼びかけた。

また、印象に残っているシーンを聞かれると、「米倉(斉加年)さんがこの作品のあとにお亡くなりになられまして。僕らの大先輩ですからね」と米倉との共演シーンを振り返り、「米倉さんが最後の方に法廷の中で証言されるんですけど、そのシーンが素晴らしくて印象的でしたね。あぁ、やっぱりさすがだなと」としみじみ語った。

今回の復活について、河角直樹プロデューサーは「作る側にとって非常におもしろいドラマ。そして、猪狩文助というキャラクターが魅力的。法廷という格式ばった硬さをほぐしたり、おちょくりながら、最終的に真実を突き詰めていく主人公をもう一度動かしていきたいと思った」と熱弁。「(猪狩という)非常に深くおもしろいキャラクターを演じていただける方は柄本さんしか考えられない」と柄本に託したという。

新作第1弾で猪狩(柄本明)と夏目(舞羽美海)が挑むのは、とある老人ホームで起きた殺人事件。2人は、理事長・香原周一郎(大河内浩)が殺された現場に居合わせた、医師・笹山克典(金子昇)の弁護を引き受ける。笹山は、逮捕時には犯行を認めるが、猪狩が話を聞くと一転して容疑を否認。複雑な人間関係が渦巻く難事件の真相に、型破りな猪狩と新米弁護士が迫る。

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