IBMは24日(現地時間)、資生堂と協業し、資生堂の日本国内約1万人のビューティーコンサルタントが顧客の声を収集する業務アプリなどのモバイル・アプリケーションを活用して、新しいサービスや製品開発、コミュニケーションの実現を目指していると発表した。

資生堂ブランドは、日本を含む89の国と地域で製品を提供。世界の美容業界の規模は、2017年までに2,650億ドルに達すると予想されるという。資生堂は、ITを含むマーケティングや技術開発への投資を強化することで、資生堂ブランドの魅力を伝えるビューティーコンサルタントを支援し、顧客満足度の向上と市場シェア拡大を目指している。

資生堂は、日本国内全てのビューティーコンサルタントが活用する専用のタブレット端末(ビューティータブレット)向けの業務アプリケーションを開発・管理するため、「IBM MobileFirst Platform」をアプリケーション開発の基盤として採用。

「IBM MobileFirst Platform」で開発した業務アプリケーションには、複数の社内業務機能が実装され、資生堂の既存システムと連携している。これにより、ビューティーコンサルタントは、アプリケーションひとつで、他のビューティーコンサルタントとの連絡、スケジュール管理、業務報告、その他業務改善に役立てることが可能になった。

「IBM MobileFirst」Webサイト画面

IBMのモバイル・アプリケーション環境で開発した業務アプリケーションでは、ビューティーコンサルタントが情報交換を通じてお互いに学びあうための仮想コミュニティーを提供。例えば、写真、接客応対などのヒントやコツ、各自の業務に対する感想などを共有することで、「日本全国のビューティーコンサルタントが誇りを持ち、さらなるチームワークを築く一助となる」。

また、ビューティーコンサルタントは、このような情報の中から成功例を特定し、今後のビューティーコンサルタントの育成や、おもてなしの心をベースとした一貫性のあるサービスと技能の向上に役立てる。

2013年のビューティータブレット導入以来、資生堂は継続的にモバイルシステムの成功例を応用し、日本国内のビューティーコンサルタントを支援。「IBM MobileFirst Platform」によって開発されたアプリケーションは、新製品に対する要望などの情報共有や、ビューティーコンサルタント間の円滑なコミュニケーションを提供する。

また、「IBM MobileFirst Platform」は、タブレットのOSへの依存やセキュリティー対策の懸念など、常に進化を続けるモバイル分野に対応するため、資生堂に長期的なソリューションの提供を継続している。