厚生労働省は11日、「過重労働解消相談ダイヤル」及び「労働条件相談ほっとライン」の相談結果を発表した。

「過重労働解消相談ダイヤル」および「労働条件相談ほっとライン」の相談結果を発表(画像はイメージ)

悪質なケースは労働基準監督署に情報提供も

「過重労働解消相談ダイヤル」は11月1日に実施され、寄せられた相談件数は280件。「労働条件相談ほっとライン」は9月1日に設置され、11月1日までの2カ月間で3,142件の相談が寄せられた。

両電話相談の相談件数3,422件のうち、特に多かったのは「賃金不払い残業」(588件)および「長時間労働・過重労働」(444件)に関する相談であった。

「賃金不払い残業」については、「1日5時間、1カ月90時間程度の残業をしている。労働時間はタイムカードで管理しているが、毎月、36協定の上限を超えないように、残業時間の途中でタイムカードを強制打刻させられ、タイムカードどおりしか残業手当が支払われない」(10代、自動車部品の製造業)、「出勤簿に押印するだけで、労働時間を把握していない。1日24時間勤務の交替制で、月に数回、連続40時間勤務となることもあり、1カ月170時間程度残業しているが、毎月5万円程度の残業手当しか支払われない。また、長時間労働と仕事のストレスが原因でうつ病と診断されており、労災請求を考えている」(50代、ホテルのフロント業)という相談事例が紹介された。

「長時間労働・過重労働」では、「労働時間は日報で管理しており、長いときは1カ月200時間以上、最短でも1カ月80時間の残業をしている。会社も次から仕事をもらえなくなるため、仕事を断れないようだ」(40代、トラック運転手)、「労働時間はタイムカードで管理しており、1日3時間以上、1カ月100時間以上の残業をしている。また、所定休日の設定がなされておらず、休日が与えられない、定期健康診断が実施されていないなどの問題がある」(20代、電子部品の製造業)など、厳しい労働環境に苦しんでいる声が寄せられた。

厚生労働省は、11月を過重労働解消キャンペーン期間と定め、過重労働や賃金不払い残業の解消に向けた集中的な取組を実施。寄せられた相談のうち、労働基準関係法令上問題があると認められるケースについては、労働基準監督署に情報提供を行い、監督指導を実施するなどの対応を行うとのこと。

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