将棋のプロ棋士がコンピュータ将棋ソフトとタッグを組んでトーナメントで対局する「将棋電王戦タッグマッチ2014」のFINAL Roundが12日、東京・六本木のニコファーレにて行われ、西尾明六段・ponanza組が優勝した。
ファイナルラウンドで決勝に勝ち進んだのは、1stラウンドAブロックで優勝した森下卓九段・ツツカナ組とBブロックで優勝した西尾明六段・ponanza組。矢倉の古風な定跡形に進み、後手の西尾明六段・ponanza組が大胆な反撃に出ながら局面の均衡を保った。後手は守りを安定させて攻める展開に持ち込んでリードを奪い、112手で制してタッグマッチ優勝を決めた。消費時間は▲森下1時間、△西尾54分。
優勝した西尾明六段・ponanza組には、日本将棋連盟理事の片上大輔六段から優勝トロフィーが授与された。表彰式で西尾明六段は「今回は実験だと思って指していた。突き詰めると将棋は難しいゲームということがわかった」、森下卓九段は「決勝はうまく指されて完敗だった。普段は逆転負けが多いタイプなのでツツカナが心強く、やや甘えすぎたところがあった」とそれぞれ今日の対局を振り返った。
「将棋電王戦タッグマッチ2014」は、プロ棋士がコンピュータ将棋ソフトを操作し、ソフトの推奨手を参考にしながら対局するトーナメント戦。9月20日の1st Round Aブロック、23日の1st Round Bブロックを経て、10月12日のFINAL Roundの3日間にわたって開催。1st Round Aブロックと1st Round Bブロックの勝者がFINAL Roundへ進み、シード組の佐藤慎一四段・ponanza 2013年ver.、久保利明九段・習甦とトーナメント形式で行われた。また、プロ棋士には、メガネ型のウェアラブルデバイスが装着され、この端末を通じて将棋ソフトの推奨手の情報を得ることができる。
なお、5対5の団体戦としては最後となる2015年春開催の「将棋電王戦 FINAL」に出場するプロ棋士5名も発表され、斎藤慎太郎五段、永瀬拓矢六段、稲葉陽七段、村山慈明七段、阿久津主税八段が名を連ねている。