三菱東京UFJ銀行はこのたび、南アフリカ共和国の大手総合金融機関FirstRand Limited(以下、FirstRand)と、アフリカでの幅広い金融サービス分野における相互支援を目的とした包括的な業務提携に関する覚書を締結した。

FirstRandグループは商業銀行業務、投資銀行業務、保険業務を取り扱う総合金融機関で、南アフリカ共和国のみならずアフリカ大陸内、とりわけサブサハラ地域を中心に、9拠点の子会社を有する有力な金融機関の一つ。また、インドとイギリスに海外支店、ドバイ、ケニア、アンゴラ、中国にも事務所を展開するなど、グローバルな拠点網も有している。サブサハラ地域とは、サハラ砂漠以南の49カ国を指し、人口9億人、2014年のGDP成長率が6%の見通しとなるなど、高成長が見込まれる地域だという。

南アフリカ共和国は、サブサハラ地域へ展開するうえで重要なゲートウェイの位置づけにあるため、豊富な鉱物資源や中間層の増加により拡大する消費市場を狙う日系および多国籍企業の進出が加速することが見込まれている。同覚書締結により、FirstRandのサービスを顧客に紹介するとともに、現地通貨建の融資、トレードファイナンス、プロジェクトファイナンス、輸出信用機構を活用した融資など、幅広い分野における地場に根付いた金融サービスの提供が可能となるという。

三菱東京UFJ銀行は、1926年に前身である横浜正金銀行がエジプトのアレクサンドリアに駐在員事務所を開設し、最近では2013年9月にヨハネスブルグ駐在員事務所を出張所に格上げするなど、アフリカにおける業務を推進してきた。FirstRandが有する情報やノウハウを活用しながら、一層多様化する顧客のニーズに対応すべく、これまで以上に質の高いサービスの提供を目指していくとしている。