JR東海はこのほど、従来より安全性を向上させたキハ25形気動車(2次車)52両を、今年から来年にかけて新製投入すると発表した。あわせてキハ75形気動車など既存の車両にも同様の安全対策を施すため、定期検査に合わせて順次改造を行うとしている。

キハ25形気動車(2次車)イメージ

キハ25形2次車は、動力伝達軸落下防止枠を従来より強化。台車や発電機などに動力を伝達している動力伝達軸に異常が発生して落下しそうになった場合に備え、動力伝達軸落下防止枠の設置箇所を現状より増やすとともに、異常時の軸の動きを抑制できる形状に変更した。動力伝達軸から車軸・車輪に動力を伝達する減速機の支え構造も変更。くさび構造で保持した上で、緩みにくいボルト・ナット2カ所で確実に固定する構造とした。

これらの安全性向上策については、キハ75形気動車など既存車両76両にも採用する計画。定期検査に合わせて順次改造を行い、2018年までに76両すべてに搭載するとしている。

キハ25形2次車ではその他、東海道新幹線N700Aに搭載した台車振動検知システムをベースとした振動検知装置も搭載。台車などの状態を常時監視し、故障を軽微なうちに検知して運転台などに表示できるようにする。車両先頭部分の下部には、スポンジゴム製の鹿衝撃緩和装置を装備。走行時に鹿と衝突した際に線路外に押しのけることで、列車の遅延や車両の破損などを最小限に抑える。