カシオ計算機は14日、コンパクトデジタルカメラ「EXILIM」(エクシリム)の最高峰モデルとして、世界初(※1)の2軸ブラケティング撮影機能「プレミアムブラケティング」を搭載した「EX-10」を発表した。ボディカラーはブルーブラック。11月29日より発売し、価格はオープン、店頭予想価格は79,800円。

※1 レンズ一体型デジタルカメラにおいて、「ホワイトバランス」と「明るさ」など2種類のパラメータによるブラケティング機能として。11月14日現在。カシオ調べ。

EX-10

「プレミアムブラケティング」とは、シャッターボタンを一度押すだけで、「フォーカスを合わせるポイント」と「絞り値」など、2種類の撮影設定を変化させながら9枚を連写する機能。その中からお気に入りの1枚を選択することで、失敗のない写真や作品性の高い美しい写真を、ワンシャッターで手に入れることができる。各パラメータをカメラに委ねる「オートブラケティング」と、各パラメータの設定値を手動調整して思い描いた表現が可能な「マニュアルブラケティング」を装備。それぞれで選択できる項目は以下の通り。

オートブラケティング(各項の設定はカメラが自動調節)

●2軸ブラケティング
・コントラスト×彩度
・フォーカス×絞り
・ホワイトバランス×明るさ

●1軸ブラケティング
・シャッタースピード(3枚連写)

プレミアムブラケティングのイメージ

コントラスト×彩度

フォーカス×絞り

ホワイトバランス×明るさ

マニュアルブラケティング(各項の設定値を調整可能)

●2軸ブラケティング
・フォーカス×絞り
・ホワイトバランス×明るさ
・コントラスト×彩度
・彩度×明るさ
・コントラスト×明るさ

●1軸ブラケティング
・明るさ
・ホワイトバランス
・フォーカス
・絞り
・シャッタースピード
・ISO
・彩度
・コントラスト

レンズはF1.8~F2.5と明るく、開放~F8.0の多段絞りを備えた28~112mm(35mm換算)ズームレンズ。厳しい品質基準をクリアしたレンズのみを採用することで、画像の四隅まで高品位な画質を維持する。暗所撮影で有利なことに加え、テレ端やマクロ(最短約1cm)撮影時のボケ味も美しい。レンズの動きに合わせて自動的に開閉するレンズキャップも付属する。

スクリュー式のレンズキャップ。写真左は外した状態、写真右は取り付けた状態。内蔵ストロボはポップアップ式。レンズキャップを装着していても撮影できる(電源オンオフに伴うレンズの伸縮、撮影時のズームが可能)

センサーは、暗所にも強い1/1.7型裏面照射型のCMOSセンサーを採用。「ハイスピードテクノロジー」を駆使した最新の映像エンジン「EXILIM エンジンHS Ver.3 ADVANCE」により、高速連写をはじめとする高画質な撮影を実現。レンズとセンサーの最適化を図り、色再現性の向上にも貢献している。

フラッグシップモデルとして、デザインや素材も追求。ブルーブラック仕上げのスタイリッシュなボディは、軽量・堅牢なマグネシウム合金(前後面パネル)と、美しく輝くアルミ合金(上面パネル)で構成。前面のファンクションリングとモードダイヤルは、アルミニウム無垢材からの削り出しを使用するなど細部に至るまで機能美を追求し、使うたびに満足度が高まるモデルに仕上げている。

液晶モニタは、上向き約180度、下向き約55度に開くチルト式。本体前面には、ローアングルやハイアングル撮影に便利なフロントシャッターボタンを装備した。さらに、縦でも横でも使える内蔵自立スタンドも活用可能。電子水準器も搭載した。

好評の「トリプルショット」や「パスト連写」「AF連写」をはじめ、「プレミアムオートPRO」、「HS ナイトショット」「全焦点マクロ」「HDRアート」「アートショット」なども引き続き搭載。宙に浮かぶ玉に写り込ませた様な幻想的な作風の「宙玉(そらたま)」(実験写真家・上原ゼンジ氏の登録商標)を新たに加え、個性的な表現が楽しめる全10種類のフィルター機能が利用できる。

動画機能では、時間の間隔を空けて撮影し、つなぎ合わせて1つの動画として記録する「タイムラプス」が楽しめる。ゆっくりとした雲の流れや、夕暮れから夜への移り変わりなど、長時間の変化を短時間に圧縮して動画にする機能だ。

手ブレ補正機構は、上下回転、左右回転、上下、左右、回転の5つ(5軸方向)に対応。光学式手ブレ補正(2.5段)と高速連写合成(最大9枚)の組み合わせで、5段の手ブレ補正効果を得ることができる。

サクサク撮れる高速レスポンスも健在。JPEG形式はもちろん、RAW形式でも0.27 秒の撮影間隔を実現した。なお、RAW現像に利用できるソフトウェア『SILKYPIXR Developer Studio4.0 for CASIO』の無償ダウンロード用IDが同梱される。

Wi-Fi機能も搭載。スマートフォンの画面で構図やアングルなどをしながら、リモート撮影が行える。リモート撮影は「パスト連写」に対応。また、カメラの再生画像をワンタッチでスマートフォンに送信したり、カメラ内の画像をスマートフォンの画面から参照することもできる(スマートフォンに専用アプリ「EXILIM Remote(V2.0)」のインストールが必要)

スペックまとめ

最後に改めて主なスペックをまとめると、撮像素子は1/1.7型正方画素高速CMOSセンサーで、総画素数は1,210万画素。レンズ構成は、非球面レンズを含む8群11枚。焦点距離は約28~112mm(35mm判換算)、F値はF1.8(W)~F2.5(T)。液晶モニタには、チルト機構を持つ3.5型の約92万画素TFTカラー液晶を搭載しており、自分撮りを含めてさまざまなアングルで撮影が可能。

撮影解像度は、静止画が最大4,000×3,000ドット、動画が最大1,920×1,080ドット(フルHD)/30fps。記録形式は、静止画はRAW(DNG)およびJPEG形式、動画はMOV形式、H.264/AVC準拠、IMA-ADPCM音声(ステレオ)。約48.9MBのメモリを内蔵するほか、外部メモリとしてSD/SDHC/SDXCメモリーカードを使用できる。

ISO感度はISO100~12800相当。シャッター速度は1/2秒~1/2,000秒(静止画プレミアムオート時:4秒~1/4,000秒)。露出補正は-2.0EV~+2.0EV(1/3EVステップ)。フォーカス方式はコントラスト検出方式、フォーカスモードはオートフォーカス、マクロ、マニュアルフォーカスなど。撮影可能範囲は約1cm~。

電源は専用リチウムイオン充電池「NP-130 / NP130A」を使用し、撮影枚数は約455枚、動画撮影時間は約1時間30分、連続動画撮影時間が約2時間35分(タイムラプス撮影時:約4時間30分)。外部インタフェースは、MicroUSB(充電対応)、HDMI出力。本体サイズはW119.9×H67.9×D48.6mm、重量は約384g(電池およびメモリーカード含む)。