30代以下の約8割は喫煙経験自体がない

医師・医療従事者向け情報サービスサイトを運営するケアネットはこのほど、同社医師会員に対し「"タバコおよび喫煙者の負担"に対する意識調査」を実施し、結果を公表した。

同調査は8月16日、医師・医療従事者向け専門サイト「CareNet.com」の医師会員1,000人を対象にインターネットリサーチにて実施した。

60代以上の約半数が禁煙に成功、30代以下の約8割は喫煙経験なし

現在喫煙している人の割合は回答者全体で8.7%(国民全体では21.1%:JT実施「2012年全国たばこ喫煙者率調査」より)。世代別に見るともっとも高い40代で10.2%、もっとも低い30代以下では6.6%であり、大幅な差は見られなかった。

しかし喫煙経験の有無では大きく異なり、30代以下の約8割は喫煙経験自体がないのに対し、60代以上の約半数が「禁煙成功を経ての非喫煙者」という結果となった。「自分が吸っていては患者に対して説得力がないから」といった声が多く見られた。

"喫煙者の負担増"には、6割以上が賛成

"喫煙は医療費増につながるため、喫煙者の保険料や医療費などの負担額を上げるべき"との考え方に対しては、全体の61.1%が賛成と回答。「理屈はわかるが実際の運用は困難では」との声がある一方で、「脳梗塞、COPD、心疾患ほか喫煙が悪影響をおよぼすとのエビデンスがある疾患は自己負担率増に」といった意見も複数寄せられた。

"喫煙者の負担増"には、全体の61.1%が賛成

医師の過半数は、タバコの価格は"1,000円以上が適正"

過半数は、タバコの価格は"1,000円以上が適正"

適正だと感じる1箱あたりの価格については、「1,000~1,400円程度」が33.6%で最多。次いで「1,500円以上」「800円程度(100%値上げ)」がそれぞれ19.5%となり「若年層が手を出しにくい価格にすることが大切」との意見が見られた。喫煙者でも3人に1人は値上げすべきと考えており、「いっそ1,000円以上になれば自分もやめられるのでは」といった声も挙がった。

"全館禁煙"で院外にあふれる患者や職員に苦言も

病院機能評価の項目に"全館禁煙の徹底"が含まれることもあって「敷地の一歩外の歩道上で入院患者が集団で喫煙し、かえって見苦しい」「職員が隠れて吸っている」など、病院周辺の喫煙状況を問題視する医師が多く、「病院こそもっとも喫煙者の採用を拒否すべき職場だ」との声も挙がった。表現活動については「喫煙シーンは極力減らすべき」「映画などの規制はやり過ぎでは」と賛否が見られた。