JR東日本とJR東日本ステーションリテイリング、東日本鉄道文化財団はこのほど、旧万世橋駅遺構と一体化した商業施設「マーチエキュート神田万世橋」の9月14日開業を発表した。旧万世橋駅ホームへ上がる階段や交通博物館時代の名残など、歴史的価値のある遺構を活用した施設で、常設ショップと期間限定ショップの計11店舗が入居する。

「マーチエキュート神田万世橋」完成イメージ(JR東日本ステーションリテイリング提供)

一般公開に向けて一部修復などを行った「1912階段」(鉄道博物館提供)

同施設の開業にともない、1912年の駅開業時に建設され、1943年の駅休止以来、非公開となっていた「1912階段」も70年ぶりに公開。厚い花こう岩や稲田石を削り出した重厚な階段を、実際に歩くことができるという。また、鉄道博物館(後の交通博物館)の新館建設に合わせて1935(昭和10)年に建設された「1935階段」も一般公開。大型タッチパネルディスプレイによる、万世橋駅から交通博物館を経て「マーチエキュート神田万世橋」に至るまでの歴史をまとめた映像の上映もこの階段にて行う。

駅開業時から残るホーム部分は、展望デッキ「2013プラットホーム」として整備され、展望カフェとして活用される。その他、歴史の香りと、この場所に刻まれた記憶を現代に伝えるしかけを各所に施した施設となる。開業当日はオープニングイベントを行うほか、開業後に街歩き企画やワークショップなどの取組みも実施。「万世橋と周辺エリアの魅力や世界に誇れる日本の文化を発信する」としている。