総務省はこのほど、2012年就業構造基本調査の結果を発表した。それによると、パートやアルバイトなどの「非正規の職員・従業員」の総数は2,043万人となり、調査開始以来、初めて2,000万人を突破した。1992年の1,053万人と比べると20年間でほぼ倍増したことになる。
雇用者全体(役員を除く)に占める「非正規の職員・従業員」の割合は38.2%で、1992年の21.7%から16.5ポイント増加。男女別に見ると、男性は22.1%と初の2割超えとなったのに対し、女性は57.5%と前々回(2002年)から引き続いて5割以上となった。
年齢別では55歳以上の層が最も高く55.8%。男女別に見た場合、男性は前回調査比6.4ポイント増の43.8%、女性は同6.1ポイント増の70.4%と初めて7割を突破した。このほかの年齢層では、35歳未満が35.3%、35~34歳が31.5%となった。
過去5年間に「正規の職員・従業員」から「非正規の職員・従業員」に異動した割合は40.3%と、前回(2007年)より3.7ポイント増加。一方、「非正規の職員・従業員」から「正規の職員・従業員」に異動した割合は24.2%と、前回より2.3ポイント減少した。
「非正規の職員・従業員」の割合を都道府県別に見た場合、沖縄県が44.5%でトップ。次いで、北海道が42.8%、京都府が41.8%、大阪府が41.3%、福岡県と鹿児島県が同率の40.0%となり、前回と比べて全ての都道府県で上昇していた。また、若年人口においても沖縄県が50.4%と最も高く、以下、京都府が41.9%、北海道が40.6%と続いた。
有業率の全国平均は58.1%。都道府県別について見ると、最も高かったのは東京都で62.5%。以下、愛知県と福井県が同率の61.4%、長野県と滋賀県が同率の60.2%と続いた。反対に最も低かったのは奈良県で53.2%。次いで、秋田県が54.2%、徳島県が54.2%、兵庫県と和歌山県が同率の54.5%となった。
いわゆるニートを指す若年無業者の総数は61万7,000人で、前回より1万5,000人減少した。しかし、若年(15~34歳)人口に占める割合は2.3%と、前回より0.2ポイント増加した。
介護の状況について調べたところ、介護をしている人(15歳以上)の総数は557万4,000人。年代別に見ると、60~64歳以上が19.4%で最も多く、60歳以上が全体の約5割を占めた。介護をしている雇用者は239万9,000人で、うち、「介護休業等制度の利用あり」の雇用者は37万8,000人にとどまった。また、過去5年間に介護や看護のために前職を離職した人は48万7,000人で、うち、現在無職の人は36万4,000人に上ったのに対し、就業している人は12万3,000人だった。