Google Chrome runs web pages and applications with lightning speed.

CSSでは標準化されていないスタイルに関してはベンダプレフィックスをつけて実装されることが多い。Firefoxであれば「-moz-」が付き、IEなら「-ms-」、SafariやChromeなら「-webkit-」、Operaなら「-o-」といった具合だ。標準化されていないものの、より豊かな表現を実現するにはベンダプレフィックスを指定してブラウザごとにスタイルを記述する必要があり、CSSファイルはベンダプレフィックスの指定で埋まるというのがよくある状況となっている。

先月、GoogleはChromeのレンダリングエンジンをWebkitから分岐し「Blink」という別のレンダリングエンジンへ切り替えると発表。WebデザイナやWebプログラマは、まさかさらにベンダプレフィックスが増えるのではないかと、戦慄を覚えたのではないだろうか。しかし、当面、その心配はなさそうだ。

The Chromium Projects - Blink」において、これまで実装してきたベンダプレフィックスに関しては引き続き提供するが、今後新しいベンダプレフィックス付きのCSS実装を提供することはないと説明がある。策定段階にあるスタイルを使用するには、ユーザが明示的に機能を有効にする必要がある。こうすることで、過去との互換性を保ちながら、今後さらにベンダプレフィックスが増えるという問題を回避できる。新機能を利用したいユーザは自ら明示的に有効にすれば、ベンダプレフィックスのつかないスタイルの指定で新機能を利用することができる。

この方針はMozilla (Firefox)においても現れている(Re: pointerLock vendor prefixes, shims and usability)。ChromeとOperaは今後Blinkを採用する方針を示していることから、将来のバージョンのChrome、Opera、Firefoxからは新しいベンダプレフィックス付きのスタイルは導入されなくなる可能性が高い。