愛らしい見た目や仕草で老若男女問わず人気のジャイアントパンダ。中国の四川省や陝西省(せんせいしょう)のごく限られた場所にしかおらず、数が少ないため、絶滅が危惧されている希少な動物だが、和歌山には何と5頭もいるのを知っているだろうか!? 今回、彼らの実態を調べてみた!
ジャイアントパンダがいるのは、和歌山県南西部の海岸沿いにある白浜の「アドベンチャーワールド」。ちなみに白浜は、「日本書紀」に“紀温湯(きのいでゆ)”の名で登場する、約1,400年の歴史がある温泉を有し、京阪神から日帰りでも遊びに行けるリゾート地として発展してきた。
子パンダ・優浜は5頭家族の末っ子
アドベンチャーワールドは、空の玄関口になっている「南紀白浜空港」から車で10分ほどの山中に位置する。「人間(ひと)と動物と自然とのふれあい」をテーマに掲げている、全国でも珍しい「動物園」「水族館」「遊園地」が一体となったテーマパークである。
80万平米という広大な敷地内には、ジャイアントパンダの家族に会える「パンダランド」の他、間近に海と陸の動物約1,400頭羽が自然のままに暮らす姿を観察できる「サファリワールド」、イルカやクジラのライブが見られる「ビッグオーシャン」などが設けられている。
日本にはアドベンチャーワールド以外に、東京の「上野動物園」と神戸の「王子動物園」にもジャイアントパンダがいるが、それらも含めて全て中国から借用している形になっている。昨夏、アドベンチャーワールドで優浜(ユウヒン)という子パンダが誕生したが、このパンダの「国籍」も中国ということになる。
優浜には双子のお兄ちゃんとお姉ちゃんもいる。お兄ちゃんは海浜(カイヒン)、お姉ちゃんは陽浜(ヨウヒン)。ちなみに双子の見分け方は、「男の子は後ろ足のかかとの毛が黒く、女の子の子は白いのが特徴です」(アドベンチャーワールド・運営部の高濱光弘さん)とのこと。
また、3匹の父親である永明(エイメイ)は、おっとりしてのんびりもの、母親の良浜(ラウヒン)はふっくらした顔立ちのやさしい雰囲気が特徴。父親はガッシリ体型、母親は女性らしい丸みを帯びた体型だ。
「良浜はお昼寝が好きでやんちゃな娘でしたが、今ではすっかりやさしいお母さんの顔です」と高濱さん。5匹のパンダについて語る口調は穏やかで、ふだんから愛情を持ってパンダたちに接していることがよく分かる。
パンダにおやつをあげられる!
「パンダランド」では基本的に毎日、ジャイアントパンダの家族の姿を公開している(9時30分~17時)。また、4月14日までは、当日に予約すればジャイアントパンダが暮らすバックヤードで、直接おやつをあげることもできる「パンダバックヤードツアー」も実施中されている。なお、15日からはパンダランドがリニューアルするため、ツアーはお休みとなる。リニューアル後のツアー再開予定については、アドベンチャーワールドに問い合わせてみよう。
「世界でもジャイアントパンダに一般の人がエサを与えることができるところはほとんどありません」(アドベンチャーワールド広報部)。さらに、土曜・日曜と祝日の15時から15分ほど、パンダランドのスタッフがパンダの家族について解説してくれる「ジャイアントパンダ教室」も開催している。
GWや夏休みには夜間営業も!
一番人気は愛らしいジャイアントパンダがいるゾーンだが、その他にも、広大な敷地内で放し飼いにされている動物たちを、列車タイプの乗用車「ケニア号」に乗って間近に見ることができる「サファリツアー」がある。また、イルカやクジラのスピーディーでダイナミックなライブが見学できる「ビッグオーシャン」なども人気が高い。
さらに、GWや夏休みには夜間営業も行う。特に、夜の野生動物の生態が観察できる「ナイトサファリツアー」や「ナイトマリンライブ」は大人気。かわいらしいジャイアントパンダの赤ちゃんの見学に加えて、陸や海の動物たちにふれあえるアドベンチャーワールドは、子供も大人も楽しめる施設なのだ。