警察庁は25日、「2012年中における古物・質屋営業の概況」を発表した。

それによると、2012年の古物営業の許可件数は72万7,669件で、前年比1万4,605件増加。古物営業の許可件数は2003年以降増え続けており、2012年は統計を開始した1949年以降で最も多くなった。

古物営業法違反の検挙状況を見ると、検挙件数は前年比3件増の34件、検挙人数は同2人減の28人となった。

古物商および古物市場主に対する行政処分件数は、前年比161件増の1,083件。内訳は、取消処分が同10件増の19件、営業停止処分が同5件減の7件、指示処分が同156件増の1,057件となった。取消処分件数は前年から倍増したのに対し、営業停止処分件数は一桁台に減少。指示処分件数は初の1,000件突破となり、過去最多を記録した。

古物商からの不正品申告状況を調べたところ、最も多かったのは「書籍」で120件。以下、「道具類」が114件、「自動二輪車および原動機付自転車」が95件、「機械工具類」が31件、「時計・宝飾品類」が11件と続いた。

古物商等の管理者講習の業種別実施状況については、「その他(全業種を対象にした講習)」が1万4,000人でトップ。次いで、「自動車」が3,125人、「自転車」が340人、「自動二輪車および原動機付自転車」が310人、「機械工具類」が180人となった。

一方、質屋営業の概況について見たところ、2012年末における質屋営業の許可件数は、前年比62件減の3,270件。これは、統計開始以降過去最少となる。

質屋営業の許可状況の年別推移(2003年~2012年)(出典:警察庁Webサイト)

質屋営業法違反の検挙状況は、検挙件数が1件(前年0件)、検挙人員が1人(同0人)。また、質屋に対する行政処分は0件で、2009年以降4年連続して行政処分は行われていない。

質屋からの不正申告状況については、「時計・宝飾品類」が最も多く29件。以下、「皮革・ゴム製品類」が6件、「機械工具類」「道具類」が同数の4件、「衣類」3件と続いた。