Texas Instruments(TI)は、多相用スマートメーターおよび電力計測アプリケーションに対応した、マイコンシリーズ「MSP430F677x」60品種を発表した。

同シリーズは、同社の低消費電力マイコン「MSP430」の電力性能を維持しつつ、最大動作周波数を25MHz、内蔵フラッシュメモリを512KBまで拡張したほか、IEC 62053-22およびANSI C12.20 Class 0.2の標準規格をはじめとした、多相用のスマートメーターに関する全世界の規制基準に適合したもので、このメモリ容量の増加によって、ZigBee、wM-Bus、PRIME、G3-PLCおよびRF meshネットワークをはじめとした、各種の有線およびワイヤレスの通信標準規格との接続を実現することが可能。

また、最大7個の24ビット・ΣΔ型A/Dコンバータを備えたAFE(アナログ・フロントエンド)を内蔵し、-40℃~+85℃の温度範囲で、2000:1のダイナミックレンジに渡って高い計測精度を実現する。

さらに、盗電およびメーターの不正操作などから製品を保護するため、高度な改ざん防止保護機能も内蔵。例えば、オンチップのRTC(リアルタイム・クロック)により、メーターの改ざん操作の検出およびタイムスタンプ機能を提供し、ユーティリティ機器の改ざん操作の追跡、および防止を容易に実現することができるほか、ハードウェア・アクセラレーションによる128ビットのAES暗号化モジュールにより、従来のソフトウェアによる実装と比較して、より高速で暗号化が可能となり、メーターのセキュリティおよび性能の向上ができるようになるほか、消費電力の削減も可能になるという。

なお、すでにサンプル出荷を開始しており、単価は例えば、多相用メーター向けのAES搭載の「MSP430F677x」およびAES非搭載の「MSP430F6779x」の場合、1,000個受注時で6.60ドル(参考価格)からとなっている。また、「MSP430F677x」の評価を行える多相用eメータリングEVM(評価モジュール)「EVM430-F6779」も単価299ドル(参考価格)にて提供されている。