AKB48の前田敦子がトニー・レオン主演の映画『一九〇五』(黒沢清監督 2013年秋公開)に出演することが10日、明らかになった。
本作は1905年の横浜を舞台に展開する新感覚アクションムービーで、国際的な街に流れ着く人々の思惑が国籍を超えて交錯していくさまを描いている。日本映画初出演・初主演となるトニー・レオン、ほぼ全編中国語のセリフに挑む松田翔太、そして、AKB48卒業後、いきなりの国際派女優としてデビューする前田敦子と、注目のキャスト陣が出揃った。
前田が演じるのは、トニー・レオン演じる主人公に大きな影響を与え、また物語の要にもなる「宮子」。担当プロデューサーは女優のキャスティングに頭を悩ませていたが、かつて前田が出演した映画『あしたの私のつくり方』(2007年)のDVDを見たときに「宮子がいた!」と思わず叫んでしまうほどのハマリ役なのだという。
この大抜擢を受けて、前田は「世界を舞台に活躍されている黒沢清監督の作品に参加できることに、とてもワクワクしています。そして、トニー・レオンさん、松田翔太さんとご一緒できることも、すごく嬉しく思います」と期待に胸をふくらませ、「女性のあらゆる魅力を持っている宮子を、全力で演じたいと思います。女優としての素晴らしい経験になるように、頑張ります」と意気込みを語った。
黒沢清とトニー・レオンの出会いは2009年3月。香港で開催された「アジア映画賞(Asian Film Award 亞洲電影大奨)」で、黒沢監督作『トウキョウソナタ』が大賞を受賞した際、総合イベントの大使を務めていたトニ・ーレオンは黒沢と初めて言葉を交わした。以後、来日した際も2人は会うようになり、『一九〇五』の企画が話し合われたという。
なお、クランクインは2012年11月、クランクアップは2013年の1月を予定している。現在、ロケハンの真っ最中だが、日本のほか台湾での撮影も行われる。