3月18日に30歳を迎える吉井怜

主演映画『夕闇ダリア』で体当たり演技を披露し、新境地を開いた女優の吉井怜に話を聞いた。白血病を克服し2002年に芸能界復帰を果たした吉井が、本作で描かれる非現実的な現象をリアルに受け止めることができた、本当にあった怖い話とは?

本作は、浮気相手の彼女の幻影が見えてしまうかなえ(吉井)が、自分の人生を変化させようと奮闘するほろ苦い成長物語。恋に悩む女性を吉井が等身大で演じ、大胆なベッドシーンにも挑んでいる。この物語のキーワードとなるのが、好意を持った男性に対する女性の情念と、それが具現化した現象。浮気相手・大谷(柄本佑)との密会を重ねていくうちに、かなえはその恋人の幻影を見るようになる。

知人から生霊を送りつけられた過去を持つ吉井は、かなえの身に起きた現象をすんなりと受け入れることができたという。何でも生霊には二つのパターンがあるそうで、本作の場合は「相手が送っているのではなく、自分発信のものですね。かなえ自身が大谷の恋人を意識し過ぎるあまり、生霊を生み出してしまっている」と解説する。ちなみに吉井に送りつけられた生霊は、陰陽師によって除霊済みとのこと。日本では、はるか昔から語られる幽霊や生霊の姿は女性である確率が高いが「男性に比べて女性の方が、好きな人に対しての念は強い。意識をしていなくてもそれが恨み辛みとなってしまうことがあるからだと思いますね」と実感がこもる。

一糸まとわぬ姿での演技が話題に

吉井が生霊や幻影について「オカルトチックなことではなく、日常の中で起こりうること」と確信を持っているのには、理由があった。それは2000年に急性骨髄性白血病を発症し、肉体的にも精神的にも追い詰められ「復帰は無理だ」と思い悩む苦しい闘病生活を送っていた頃のこと。精神的負担から、頻繁に悪夢を見るようになった。「人のような形をした黒い影と白い影が目の前に現れて、黒い影が私の腕を取って『出ようよ』って言ってきたんです」と当時の記憶を語る。また別の日には「金髪の看護師さんが検診にやってきて、いきなり『じゃあ、出ましょう』って腕を引っ張るんです。そんなことあるわけないと思った瞬間に頭の中で警報ベルが鳴り響いて目を覚ました」という。翌朝病院のスタッフたちに聞くと、金髪の看護師もいなければ警報が鳴った形跡もなかった。

吉井は「生きることを諦めかけていたときに起こった出来事だったので、これがいわゆる"三途の川"なのかと思いました。もしあの時、黒い影や金髪の看護師の言う通りにしていたら、今の自分はいないはず」と振り返るが、今では女優として見事に復帰。3月には30歳に突入する。「結婚というものに憧れていたけれど、30歳目前の今では、いい相手が見つかれば……という程度になりました。仕事も頑張っていきたいし、自分磨きもしていければ」と意気軒昂に語る彼女に、これからの期待は膨らむばかりだ。

花屋を営むかなえ(吉井怜)は、店員の大谷(柄本佑)に由起子(桃生亜希子)という彼女がいるのが分かっていて、彼とつき合っていた。1人でいなくちゃいけないのに、彼がいなくなるのが怖い。そんなかなえのもとに、ある日由起子とおぼしき女性がやってくる。しかし、それは生身の由起子ではなかった。その日を境に、かなえの部屋に由起子が出没するようになる。ひとりでいても、大谷とセックスしていても……。

DVD&ブルーレイ「夕闇ダリア」はキングレコードよりそれぞれ3,990円、5,040円で発売中。レンタルは実施されない。

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