日立アプライアンスは30日、2011年度モデルのサイクロン方式クリーナー3機種と紙パック式クリーナー3機種の計6機種を発表した。発売日価格などは表の通り。

2段ブーストサイクロンの3機種。左から「CV-SU7000」「CV-SU5000」「CV-SU3000」

紙パック方式の2機種。左が「CV-PU20」で、右が「CV-PU300」。このほかに、「CV-PU10」も同時発表された

新製品のポイントは、使いやすさの向上。同社で調査したところ、掃除機で掃除を行う場合、ヘッドを少し浮かせて操作したり、あるいは持ち上げて別の場所に移動したりという動作が多いことが判明した。そこで同社が目指したのが、ヘッドと延長パイプの軽量化。パイプやヘッドなどの素材を、従来使用されていた樹脂から、同社が「カーボンライト」と呼ぶカーボン繊維強化プラスチックに変更。強度を保ったまま、従来は2mmだった延長パイプの厚みを1.4mmに薄くすることが可能となった。

また、従来はアルミが使用されていた回転ブラシの軸部分にもカーボンライトを採用。これらにより、パイプとヘッドを約13%軽量化(940g→820g)。より、使う人に負担の少ない掃除を実現している(CV-PU10を除く5機種)。ゴルフクラブのシャフトや釣りざおなどに使用されているカーボン素材は、シート状のものを巻きつけて成形している。そのため、製品は、1つ1つが、ハンドメイドに近い作業を必要とする。それに対して、自動車や航空機などで使用されているものは、カーボン繊維を樹脂に混ぜて使用しており、一般的な樹脂製品に近い成形が可能だ。同社のカーボンライトは、カーボン素材をペレット化し、射出成形するというもので、後者に近いものとなっている。

従来から使用している素材と、カーボンライトとの強度比較

延長パイプの厚みは2mmから1.4mmに薄型化

回転ブラシの軸材もカーボンライトになった

また、同時にグリップの形状も変更。従来は、グリップエンドが開放されたアーチ型のグリップが採用されていたが、新モデルでは、この部分が繋がり、さらにグリップの上側をストレートにするなど、ヘッドを持ち上げやすいデザインとなった。

より、持ち上げやすい形にグリップの形状も変更

発表会場で行っていた、ヘッドを持ち上げる操作での筋肉の収縮度合いを示したグラフ。上が従来モデルで、下が新モデル

2段ブーストサイクロン方式のモデルでは、サイクロン機構から出る空気を、すべてクリーンフィルター/アレルオフフィルター/高集じんフィルターを経由して分散上方排気する。また、空気の経路は、高密度モーターケースに納められており、99.999%の高い集塵率を実現(PV-CU3000は99.9%)。紙パック方式のPV-PU300では、紙パックの「ナノテク高捕塵プレミアム衛生フィルター」から出た空気を、さらに高捕塵フィルター経由で排気(こちらも、ファンモーターなど、空気の通る経路は高気密モーターケースに納められている)、99.999%の捕集率を実現している。また、紙パック方式のモデルでは、ファンモーターのディフューザー(固定翼側)の形状が、従来のフラットなものから、中心部に膨らみを持たせたものへと変更されている。これは、流速の少ない部分を減らすことで効率化を図るための改良。紙パック式の3機種のうち、CV-PU20は、650Wという、業界最高の吸い込み仕事率を実現したハイパワーモデルとなっている。なお、CV-PU20に、CV-PU300用の紙パック「ナノテク高捕じんプレミアム衛生フィルター」を使用することも可能だが、その場合でも、後段のフィルターの性能が異なるため、CV-PU300のように、捕集率は99.999にはならないとのことだ。

紙パック式モデル(CV-PU300)のカットモデル

旧形状と新形状のディフューザー

タイプ 2段ブーストサイクロン 紙パック式
型式 CV-
SU7000
CV-
SU5000
CV-
SU3000
CV-
PU300
CV-
PU20
CV-
PU10
吸い込み仕事率 460W 460W 450W 550W 650W 640W
捕集率 99.999% 99.999% 99.9% 99.999% 99% -
運転音 53dB 55dB 59dB 未定
フィルター ナノテク高捕じんプレミアム衛生フィルター ナノテクプレミアム衛生フィルター
価格 オープン
推定小売価格 8万円前後 7万円前後 6万円前後 6万円前後 5万円前後 4万円前後