アスカネットは25日、遺影写真に使用したい写真を生前に預けておける新サービス「遺影バンク」の説明会を都内にて開催した。

代表取締役社長兼CEOの福田幸雄氏。国内にて「遺影写真に特化した写真保存サービスは遺影バンクが初の試みといえる」

遺影バンクとは、気に入っている写真を預け、その日がきたら葬儀社経由で遺影写真として祭壇に飾られるというもの。写真以外にも、メッセージや家系図、自分史、友人住所録、日記など家族へ自分の意思を遺すこともできるシステムだ。

アスカネット 代表取締役社長兼CEOの福田幸雄氏によると、現在、同社のメモリアルデザインサービス(MDS)部門では、年間約27万枚の遺影写真をデジタル加工・修整し、ネットを通じて全国の葬儀社に配信。ただ、「大半の写真は、旅行などの集合写真からの抜き出しが多く、本人の顔が小さかったりボケていたりしているために、高度な修正を行っても、違和感が残ってしまう」ことが、遺族にとって"悔いの残ること"のひとつになっているという。

2月1日にオープンする「遺影バンク」トップページ。家族の遺影写真登録もできる

また、「葬儀のときに困る代表的な事例として、遺影写真用の良い写真が見つからないことのほか、故人の友人などの住所録がなく連絡できないことが挙げられる」(同氏)とし、遺影バンクのメリットを強調した。

写真入りの家系図や、「会社同僚」などのメモもつけた友人の住所録も作成できる

料金は、インターネットを利用して各種作業・保存を行う場合は無料。写真は約1GB保存できるほか、遺影写真としての使用希望順位をつけることもできるという。

さらに3,150円で、プリントされた写真も受け付けており、その場合はアスカネットがデジタル化したデータを保存する(写真加工が入る場合は別途見積もり)。このほか家族に遺影バンク登録を知らせることができる遺影バンクカード作成は1,050円。葬儀社への写真転送作業は3,150円(葬儀社への請求/アスカネット既存取引先の場合は無料)、遺影写真以外の遺された各種データを遺族に引き渡す場合は3,150円となる。

葬儀社専用ページ。登録した写真が遺影写真となるには、遺族が「遺影バンクカード」を提出する、もしくは葬儀社がアスカネットの葬儀社専用サイトにて写真の有無を検索するという2つのルートが設定されている

将来的には、動画や音声の保存なども含め、「遺す」ことに特化したサービスに力を入れていく一方で、「葬儀のプランニングや遺言などを計画できるなど、インターネットによる総合サービスを予定している」と福田氏は語っていた。

写真館協会と共同の「明るい遺影写真展」

会場では、同社が写真館協会と共同にて、全国の写真館が撮影した遺影写真490点を展示する「明るい遺影写真展」を実施することも発表。2月2日より、東京、大阪、福岡の3会場にて順次開催される同展の詳細は特設ページにて確認できる。

「明るい遺影写真展」会場イメージ

なお同社では、自分らしい遺影写真を、気軽に撮影できる仕組みをつくるべく、遺影バンクサイト内に遺影スタジオ専用ページも用意。全国の撮影可能なスタジオを紹介するほか、撮影時に使用できるクーポンも提供する。