FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。海外勢は、鳩山・小沢両氏の辞任よりは、次期候補の管氏の以前の発言に反応したのか、円売り傾向。もっとも、財務大臣が誰になるのか(実は、海外勢はこのポストに注目)が気になるのか、むしろ不透明だから円売りといったほうが良いか。

米経済指標は良い内容になったことで、米株式市場は堅調に推移。一方、話題のユーロは、クロス取引でのユーロの買い戻しに加え、USD堅調とのはざまで、ここ最近では珍しく1.22を挟んだもみ合い状態で、方向感に乏しい展開で終始。それ以降は目新しい材料もなく、G20関連のコメントがいくつか出るも、米株式市場は前日比+225.52で、10200台を回復して終了。

・08:50 (日)1─3月期法人企業統計調査

・10:30 (日)須田日銀審議員 講演

・10:30 (豪)4月貿易収支

・16:58 (ユーロ圏)5月サービス部門PMI -改定値-

・18:00 (ユーロ圏)4月小売売上高

・20:30 (米)ロックハート・アトランタ地区連銀総裁 講演

・21:15 (米)5月ADP全米雇用報告

・21:30 (米)新規失業保険申請件数

・21:30 (米)第1・四半期雇用コスト指数

・21:30 (米)第1・四半期労働生産性・単位労働コスト -改定値-

・23:00 (米)4月製造業新規受注

・23:00 (米)5月ISM非製造業景気指数

・00:15 (米)バーナンキFRB議長 シカゴ地区連銀主催のイベントであいさつ

・0215 (米)ホーニグ・カンザスシティー地区連銀総裁 講演

・米印戦略対話(最終日)

比較的好調な米経済指標(先月末までは、やや懐疑的でしたが)だったことから、USD及び米資本市場への資本回帰の動きが加速してくるかどうかに注目。 明日の米雇用統計に向けて、今晩の米経済指標で足固めできるかどうか。

そして、週末話題であるG20において、欧州の混乱に伴って、課税対象、金融規制、など議論される可能性が高いと思われるが、新興国の中には反対の立場もあり、新たな対策・協調点を見いだせるかどうかは不透明。 昨日のドイツの空売り規制が閣議決定されたことで、欧州各国の足並みがそろっていないことに対して、市場においては既存材料が確定されたことと受け止めているものの、EUが検討しているファンド規制については、アメリカ側とはかなり温度差がある状態。

この点について、欧米間の金融市場に対するスタンスの違いが、ユーロ圏への重しとなっていると指摘する向きが多い。

そして、昨日話題になった日本の首相辞任も、海外市場の堅調地合いで、比較的日本市場も上昇で多少打ち消されて堅調に推移すると思われる。ただ、円相場が円売りになったことで輸出関連銘柄は堅調に推移する可能性があるが、次期首相及び財務大臣という不透明要因があることから、はたして、どの程度伸ばしていけるかどうか。

ちなみに、海外勢において、昨日のホワイトハウス報道官のコメントで、『日本の首相交代、日米同米を揺るがすことはない』とあったが、懸念というよりは、だれが首相になってもかまわない、と揶揄しているのではないか?という見方もあるとか。小泉元首相も、この22年間で16人の首相交代とコメントしていたが、確かに、これだけ変わっていたのでは、海外政府としても交渉相手がこう、ころころ変わっては戦略も立てにくい、いやプラン作り以前の問題か。

いずれにせよ、日本に対しても不透明要因ということになり、今後はリスク回避の展開となったとしても、単純な円買いの展開になるのかどうか。 むしろ株式市場への反応が大きくなる可能性があるのではないか?

今日のアジア時間は、他のアジア市場の展開を見つつ、米経済指標待ち、という模様眺めの展開であろうか。

ドル円においては、5月の反落レンジで見た61.8%ポイントまで回復したが、やや失速気味。再度上ぬければ、クロス円の買い戻しも加速しやすいか。

ドル円チャート