米Western Digital(WD)が「Advanced Format Technology」を搭載したハードディスクドライブ(HDD)製品の提供を開始した。従来のHDDよりもユーザーが使用できるディスク領域が7-11%拡大される。

通常HDDには512バイトのセクタが用いられており、セクタごとにSync/DAM(リードイン)とエラー訂正コード(ECC)、セクタギャップが存在する構造になっている。Advanced Formatは物理上の1セクタを4,096バイトに拡大。従来Sync/DAMとECCが8つずつ必要だったものが、Sync/DAMとECCひとつずつの構造になる。これによりユーザーデータを記録する領域が拡大され、またセクターごとにより長いECCが用いられることでデータの整合性も向上し、バーストエラー訂正が50%向上したという。

512バイト・セクタによるレガシーアーキテクチャ

Advanced Formatアーキテクチャ。ユーザーデータ領域のムダを7-11%削減

512バイト・セクタは、これまで30年以上にわたって記録メディアに用いられてきた。互換性を維持するためにAdvanced Format Technologyでは、ドライブインターフェイスにおいて4,096バイトの物理セクタを512バイトの論理セクタに組み立てるエミュレーションを行う。

Vista以降向けHDD、XPユーザーは専用ユーティリティが必要

WD Caviar Green

Advanced Formatは、Windows 7/ Vista、Mac OS X Tiger/ Leopard/ Snow Leopardなど、新しい世代のOSの機能にHDDを最適化させる技術である。言いかえれば、旧世代のOSはサポート外になる。「Windows XPやクローニングソフトを利用しているユーザーは、ドライブ本来のパフォーマンスを引き出すためにWD Align utilityを実行する必要がある」とWD。同ユーティリティはWDのサイトからダウンロード入手できる。

現在Advanced Formatは「WD Caviar Green」の一部で採用されており、Advanced Formatモデルはラベルにインストール情報などが記載されている。WDは今後、同フォーマットを採用したモデルを順次拡大していくという。