Booksベストセラー週間総合ランキング11月21日~11月27日では、『ミシュランガイド東京2009』、『追憶のカレン』(茅田砂胡)の2タイトルが新登場でトップテン入りした。

11月21日~11月27日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 ミシュランガイド東京2009(日本ミシュランタイヤ/日販アイ・ピー・エス扱い)
2位 新・人間革命(19)(聖教新聞社) 池田大作
3位 追憶のカレン(中央公論新社) 茅田砂胡
4位 東大合格生のノートはかならず美しい(文藝春秋) 太田あや
5位 「脳にいいこと」だけをやりなさい!(三笠書房) マーシー・シャイモフ/茂木健一郎訳
6位 O型自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
7位 聖女の救済(文藝春秋) 東野圭吾
8位 流星の絆(講談社) 東野圭吾
9位 竹中式マトリクス勉強法(幻冬舎) 竹中平蔵
10位 A型自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais

新登場1位の『ミシュランガイド東京2009』は、言わずと知れた世界で最も有名なホテル・レストランガイドの東京版。昨年発行された2008年版はアジアで初めて発行されたミシュランガイドとして大々的に話題になり、2009年版では調査対象をさらに広げた。掲載されているのはどれも「間違いのない」店ばかり。ただし、値段の点でも高級店。普段行くお店を探すというより、ここぞという時に利用するお店を選ぶのに使うガイドブックとして読者には受け止められているようだ。

『追憶のカレン』(茅田砂胡)は、宇宙を舞台にした壮大なファンタジー小説シリーズの新刊。美少年のシェラは友人と出かけた手芸展示会の会場で、占いの館に一緒に行ってくれないかと少女から声を掛けられる。軽いタッチで始まる物語は、やがて行方不明や謎の死などが絡むサスペンスへと発展する。

注目は、単行本ノンフィクション部門9位に初登場した『めづめづ 和文化研究所 京都』(小栗左多里 トニー・ラズロ)。「ダーリンは外国人」で有名なふたりによる和風体験レポート。日本人でも知らなかったようなことが数多く解説されており、手短に日本文化を知るための本として役立ちそうだ。

今週の注目

『儚い羊たちの祝宴』(新潮社 / 米澤穂信 / 税別1,400円)

ミステリーの醍醐味である「どんでん返し」に主眼点を置いた連作集。帯に「『ラスト1行の衝撃』に徹底的にこだわった」とある通り、収録作すべてを最後の1行で落とそうという意欲作。黒い装丁と意味ありげなタイトルが醸し出すどことなく不穏でダークな雰囲気は、作品の内容にしっくりとマッチする。

短編の舞台となっているのは、どれもどこか現実とは離れた家。現代なのか過去なのかは明かされないが、数十年前の日本を想起させるような設定が多いのは意図的なのだろう。閉ざされた「家」という空間の中で、奇妙な人々が動き奇妙な思いが交錯する。上流階級が舞台となっているものも多く、上流階級ならではの不思議さが不気味さとなって読者に迫る。登場人物がすべて女性であることも話のオチに効果的に使用されているようだ。

すべてがひっくり返るというわけではないが、触れ込み通り確かに『ラスト1行の衝撃』には工夫が凝らされており、背筋がぞくっとするかもしれない。軽い読み物としても短時間で楽しめる娯楽作だ。