既報のとおり、Lenovoは先月下旬、ノートPCの新製品「ThinkPad X300」を発表した。このノートPCの最大の特徴は、ストレージにHDDではなくSATA IIに対応した1.8インチのSSD(Solid State Drive)を採用したところにあるといえる。そして、このSSDを供給しているのが韓国Samsung電子である。なお、Samsung電子は昨年(2007年)11月にSATA II対応のSSDを発売しているが、ThinkPad X300に採用されたSSDはLenovoと共同で開発したものである。

ThinkPad X300は、13.3インチという大きな液晶を搭載しながらも、厚さ1.86~23.4cm、重さ1.33kg(DVDドライブ装着時は1.42kg)と薄型で軽量である。こうした製品の実現できたのも、SSDを採用したためである。

Samsung電子によると、ThinkPad X300搭載のSSDの容量は64GB。読み取り速度は最大で100MB/s、書き込み速度は80MB/sで、これはHDDの2~5倍の速度という。さらにHDDと比較して消費電力は30%以下であり、重さも73gと軽量である。

SSDのThinkPad X300への採用は、Samsung電子にとって意義深い。同社の2007年第4四半期の業績を見ると、半導体部門の売上は前期比で2%減、営業利益は同53%減となっている。これは決して良いとはいえない状況である。こうした現状を打破する戦略の1つとして、同社ではモバイル機器向けのフラッシュメモリ「moviNAND」やSSDなど、差別化した製品の販売を拡大すると述べている。

今年1月に米国で開催された「CES 2008」では、ThinkPad X300に搭載されたSSDの2倍の容量となる128GBのSATA II対応SSDも披露している。このほか、1.0インチと小型のSSDの販売にも期待を寄せる。同社の売り上げを支える半導体部門の実績回復のためにもSSDは重要な製品であり、今回のような形での提供も今後は積極的に行っていくことが予想される。