MacRuby開発チームは27日 (米国時間)、Mac OS Xを対象としたObjective-CベースのRuby実装「MacRuby」を公開した。動作環境はMac OS X 10.5.2以降、現時点ではIntelプラットフォームのみサポートされる。バイナリパッケージの配布は開始されていないものの、Mac OS Forgeのリポジトリからダウンロードしたソースコードをビルドすることにより実行可能。

MacRubyは、Rubyインタープリタから、Mac OS X / Objective-C最基層へのアクセスを可能にするRubyの実装。MacRubyでは、すべてのRubyクラスがNSObject (Objective-Cのオブジェクトのルートクラス) から継承され、基本的にObjective-Cの全メソッドをRubyから呼び出すことが可能。具体的には、Cocoaだけでなく、CoreFoundationやAppKit、CoreDataやCoreAudio、QuickTimeといったLeopardで利用可能なフレームワークをRubyインタープリタから利用できる。

開発メンバーのLaurent Sansonetti氏は、Mac OS XにおけるRubyの実装を担当する現役Apple社員で、Mac OS X 10.5 (Leopard) に追加されたRuby / Cocoaブリッジ「RubyCocoa」への関与でも知られている。

Mac OS Xでは、各種スクリプト言語経由でOS標準のAPI「Cocoa」にアクセスする実装系 (ブリッジ) の開発が活発で、最新版のLeopardにもRubyCocoaのほか、Python / Cocoaブリッジの「PyObjC」が標準装備されているが、Objective-C最基層へのアクセスを可能にするMacRubyはアプローチの方法が異なる。なお、かつて同名の旧Mac OS用Ruby実行環境も存在したが、今回公開されたMacRubyとの直接の関係はない。

「MacRuby」でRubyからあのフレームワークが利用可能に