ジョディ・フォスターの主演最新作『ブレイブ ワン』。10月27日の公開に先駆け、プロデューサーを務めたジョエル・シルバーとニール・ジョーダン監督、そしてジョディ自身が来日し、記者会見を行った。

左からジョエル・シルバー、ジョディ・フォスター、ニール・ジョーダン

結婚を控え、幸せの絶頂にいたエリカ(ジョディ・フォスター)に突然訪れた悲劇。3人組の暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負ったエリカは昏睡から目覚めたときに婚約者の死を知る。愛する者を失い、これ以上ないほど打ちのめされたエリカが手にした物は拳銃だった。偶然入ったコンビニで、男に銃口を突きつけられた瞬間、エリカは自分のピストルの引き金を引いていた。「人を殺す」という一線を越えてしまったという事実はエリカの世界を大きく変える。その日から、エリカは"犯罪者を裁く正体不明の処刑人"となった。

愛する人を失い、銃を手にするエリカ。その行く先に待っているものは…
(C) 2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

『ブレイブ ワン』は直訳すると「勇気のある人」。フォスターは「このタイトルには皮肉な意味も含まれているの。死ぬほど恐ろしい目に遭ったら、女性だったら引きこもってしまうのが普通。でも、エリカは銃を買った。銃が導くのは破壊しかないけれど、彼女はそれを使っていくことで生きる力を見出していく。これが勇気と呼べるのかどうかは観る人次第ね。エリカじゃなくて、ジョディ・フォスター自身はあまり勇気がないから"ブレイブ ワン"とは言えないわ(笑)」とユーモラスに語った。

今年45歳になるとは思えないほど若々しいジョディ・フォスター

実生活で復讐したい、と思ったことは? 、という少し過激な質問を投げかけられたフォスターは「人は毎日、多かれ少なかれ傷ついているもの。相手に同じ痛みを与えたい、って気持ちは誰しも持ってると思うわ。復讐……とは違うけど、私が許せないのは電子機器なの。あれをいじるのがほんとに下手なのよ。滅多に癇癪をおこさない私だけど、機械の配線とかをやっていると、『もうイヤ!』って感じになるわ」と意外な一面をのぞかせた。

フォトセッションでステージに1人残され、「2人とも行っちゃうの?」といった様子の表情を見せたフォスター。とてもキュートでした

製作のジョエル・シルバーは『リーサル・ウェポン』『マトリックス』シリーズを生み出してきたハリウッド屈指のヒットメーカー。彼とジョディは以前からニール作品の大ファンだったという。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』や『マイケル・コリンズ』を手がけたニール・ジョーダン監督は最初に『ブレイブ ワン』の脚本を読んだときのことをこう振り返る。「エリカに対しての同情がいつ消えるかと思いながら読んでいたんだ。でも、最後まで消えなかったよ。彼女がやってることは悪いことだってわかってるのに」。

エリカの選択を許せるか、許せないか。観た人の数だけその答えは存在するのだろう。『ブレイブ ワン』は10月27日、サロンパス ルーブル丸の内ほかにて全国ロードショー。配給はワーナー・ブラザース。

(C) 2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.