2022年卒・早ければ2023年卒の学生の皆さんはこの暑いなか、業界・業種、職種研究に多忙な日々を送られているのではないでしょうか。そこで今回は、カシオで働く「人」にフォーカス。ご紹介するのは入社7年目、カシオの看板ブランド「G-SHOCK」や「BABY-G」の商品企画を手がける野村瑞季さんです。また、野村さんが手がけたユニセックスのG-SHOCK「GM-S2100」についてもご紹介します。就活中の方はもちろん、時計ファンの方々もぜひご覧ください!
---カシオに入社しようと思ったきっかけを教えてください。
野村さん「大学で英文学を勉強していたことや、留学の経験があったことなどから海外に興味があり、それらの経験を生かせる仕事に就きたいと考えていました。また、日本の文化や製品を海外に広めるといった仕事に憧れていたこともあって、ワールドワイドにビジネスを展開するメーカーさんを中心に(就職試験を)受けまして。そんななかで唯一、カシオが拾ってくれたんです(笑)」
---確かに、カシオは日本らしい数々の製品を世界的に展開していますね。
野村さん「そうなんです。私も学生時代から電子辞書『EX-word(エクスワード)』ユーザーで愛着がありますし、『G-SHOCK』は友人たちもよく着けていて馴染みがありました。また、中国に留学していたこともあるのですが、そのときは『EXILIM(エクシリム)』(※)の自撮りモデルが大ヒットしていて、その熱狂ぶりを現地で体感しましたね。
決して安くない価格でしたが、女性が競って買うんです。日本のメーカーの製品なのに、ここまで海外の人々を夢中にさせるのはすごいな、と思いました」
※ かつてカシオが販売していたデジタルカメラのブランド。『EX-TR』シリーズが中国で「自撮りカメラ」として空前の大ヒットを記録した。
---現在の部署では、どのようなお仕事をされているのですか?
野村さん「G-SHOCKとBABY-Gのラインナップ構成、それに付随する商品企画を主に行なっています。具体的には、データの収集と分析から市場の把握。また時計はファッションアイテムとしての側面もあるので、ターゲットの属性や行動、トレンドといったものを日々収集、分析して、具体的に商品へと落とし込むにはどうしたらいいかを考えますね。そのほか、他社さんのブランドや著名人とのコラボレーションモデルの企画を考えたりもしています。
私は営業現場の立場から、市場ではどんな商品が求められていてどんな層にマッチするかを提案するんです。また弊社の羽村研究センターにも商品企画のチームがあって、そちらは開発の立場から商品の提案をします。新しい技術や素材、機能といった側面からの提案ですね。その開発チームとも日頃から情報交換や意見交換をしながら、新商品を考えていくという作業をしています」
---お互いに違う立場から情報を補完し合えるのはいいですね。
野村さん「効率的かつ専門的に情報を収集、共有できるメリットは大きいですね。ただ、まだ世に存在していないもの、つまり答えがないものを作るということはそう簡単に行きません。色んな立場からの意見があるので、話し合いが中々進まない時もありますが、それも必要なプロセスだと考えています。G-SHOCKに対する熱い思いが集まって最適解を導き出すというのが、特に私の部署に求められる仕事だと思うので。
---そんな毎日のお仕事のなかで、昨今ではやはり新型コロナウィルス感染症の影響が避けられないと思います。たとえば生産スケジューリングの調整が難しくなったり、ユーザーニーズが変わってきたり……。
野村さん「そこは本当に大きくて、やりにくさやもどかしさを日々感じています。特に私は海外展開で中国エリアを担当していることもあり、従来なら定期的に海外出張に行って現地マーケットの空気や温度を肌で感じたり、情報収集をできたはずなので……。今はそれもままなりません。個人的には、むしろ海外出張を楽しみにしていた部分もあったのですが(笑)。
現地の若い世代が、どんな嗜好を持っていて何がトレンドなのかというのは、ネットの情報だけだと、どうしても表面的になってしまうんです。できれば現地に出向いて、生身の人間と話して自分なりの解釈や理解をしてから商品に落とし込めるといいと思っています。それに関しては今も方法を模索中ですね」
---現在、海外の現地スタッフとはオンラインでやりとりをされるのですか?
野村さん「オンラインWebツールでやりとりしています。現地で商品企画をしているチームがいるので、『今度こういう商品を考えているのだけど中国市場ではどうかな?』などのやりとりはしていますね」
---ではいよいよ、野村さんが商品企画を担当されたG-SHOCK「GM-S2100」についてお話を伺いたいと思います。この「GM-S2100」というのは、どのようなモデルでしょうか?
野村さん「まず背景として、1983年に発売されたG-SHOKのオリジン『DW-5000』のデザインを現代的に解釈し、1989年に登場したG-SHOCK初のアナデジコンビモデル『AW-500』のミニマルデザインを融合した伝統的G-SHOCKスタイルのアップデート版として『GA-2100』というモデルを、2019年に発売しました。これがおかげさまでスマッシュヒットとなり、そのミドルサイズバージョン『GMA-S2100』を今年3月に発売。このメタルカバードモデルが今回ご紹介する8月に発売予定の『GM-S2100』となります」
---なお『GA-2100』のメタルカバードモデル「GM-2100」もGM-S2100と同時発売なんですよね。
野村さん「そうなんです。GA-2100(樹脂ケース)、GMA-S2100(ミッドサイズ樹脂ケース)、GM-2100(メタルケース新)、GM-S2100(ミッドサイズメタルケース新)とたくさんのバリエーションがあります。
---詳しくは別記事 「カシオ2021年8月の時計新製品を実機写真で! G-SHOCK人気モデルがメタルで!?」をご参照いただくとして、ここでは「GM-S2100」の魅力について教えてください。
野村さん「G-SHOCKのタフ性能はそのままに、シンプルかつミニマルな新しい形状の『GA-2100』シリーズにメタル素材を採用したところですね。コンパクトなGA-2100より、さらにひと回り小さなミッドサイズケースながら、高級感と同時にG-SHOCKらしいディテーリングを詰め込んでいます」
---G-SHOCKでありながら、この小ぶりなメタルケースは新しいですね。これなら女性の腕にも似合いますし。
野村さん「そこはすごく意識していました。女性や腕周りが少し細めの男性にも楽しんでいただけるG-SHOCKがあってもいいんじゃないか、と。そこにメタルの上質感を加えつつ、外側のケースだけをメタルにすることで軽さや耐衝撃構造、防水性能という樹脂の良さも生かしています。
見た目は、ただGA-2100を縮小してメタルのカバーを付けただけに見えるかもしれません。しかし、実はG-SHOCKとしての耐衝撃構造や20気圧防水などフルスペックを満たしてダウンサイジングしたり、メタルカバーを採用するために構造を変えることは至難の業なんです」
---その苦労の甲斐あってとにかくケースが薄い(11.0mm)ので、シャツの袖口への収まりもいいですね。
野村さん「このモデルは現在、ユニセックスなサイズ感を特に女性に向けて押し出した展開をしています。しかし実は男性にとっても、もっとシンプルで小さいのがいいという需要も少なくないと思うんです。それに”男らしい”とか”女性らしい”といった価値観はもう過去のものとする潮流もありますし、そんな時代背景にも相性がいいのではと考えて企画しました」
---ペアモデルのベースモデルにもいいな、と思った私は発想が古いでしょうか(笑)。
野村さん「いえ、それも含めて色々な考えをお持ちのお客さまに対応できる商品なんです(笑)。実際、カラーはペアで着けたい方のために、通常サイズのメタルカバードモデルGM-2100に合わせた色もご用意しています。」
---カラーも男女問わず使用しやすいラインナップですよね。さて野村さんは今後、どんな商品を企画していきたいとお考えですか?
野村さん「G-SHOCKはストリートやエクストリームスポーツ、アートなどとともに成長することで、時計のなかでも数少ない“それ自体もひとつのカルチャーとして根付いた時計”だと思っています。そういった意味で、G-SHOCKはやはり一線を画すブランドです。その奥深さをもっと追求したいですね。
私は今の部署に異動してまだ1年。経験や商品理解がまだまだ足りないので、まずは今まで先輩方が築き上げてきたG-SHOCKの歴史やG-SHOCKらしさをしっかり吸収したい。また、G-SHOCKは時代に即して変化と進化を繰り返してきた時計なので、これからも挑戦を恐れず、ユーザーの皆様そしてまだG-SHOCKを使ったことがない方々に対して、より新しい驚きや楽しさを伝えられるような商品企画をしていきたいですね」
---最後に、カシオへの就職を検討されている方々へメッセージをお願いします。
野村さん「失敗を恐れるより、とにかくアイディアを形にしてみたいと思う人、その取り組みに楽しさややりがいを見つけられる人にとって、カシオはこの上なく楽しく働ける会社だと思います。G-SHOCKに限らず、みんなでいいものを作りたいという雰囲気がこの会社にはあると私は感じていて、その一員であることを嬉しく思います。新しい考え方や技術、文化に興味があって、それらをどんどん吸収して成長したいと考えている人には理想的な環境です。ぜひ一緒に働きましょう!」
今回は、カシオ計算機株式会社 企画部署で活躍する野村瑞季さんにお話を伺いました。就活生の皆さん、ぜひ一度カシオ計算機の門を叩いてみてはいかがでしょうか。
●今回お話を伺った方
カシオ計算機株式会社
営業本部 マーケティング統轄部 時計マーケティング部 G-SHOCK企画課
野村瑞季さん
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