世界各国で社会現象を巻き起こした伝説のTVドラマ『ツイン・ピークス』がついに復活する。といっても、TV版は1991年に放送を終了し、前日談となる劇場版『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』の公開は1992年と、すでに約25年が経過。若い人には、ピンと来ない話題だろう。しかし、当時の『ツイン・ピークス』人気はすさまじいものがあった。

前作のTVシリーズがアメリカ、3大ネットワークのひとつであるABCで放送されたのは、1990~91年。映画『イレイザーヘッド』(1976年)、『エレファント・マン』(1980年)などを手掛け、カルトの帝王と称された奇才デヴィッド・リンチ監督が初めて手がけたTVドラマとして大いに話題を呼んだ。ちなみに、デヴィッド・リンチが、『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』(1983年)の監督オファーを断ったのは、有名な話。彼はキャリアの初期からエンタメ業界が注視する気鋭のクリエイターだったのだ。

新作『ツイン・ピークス The Return』がついに日本で放送開始

『ツイン・ピークス』に話を戻そう。2017年5月23日付けのニューヨーク・タイムズ紙電子版の記事によると、前作の初回放送は全米で3,500万人近くが視聴したという。現在、アメリカで熾烈な視聴率トップ争いを繰り広げているTVドラマは、『ビッグバン☆セオリー』『NCIS ネイビー犯罪捜査班』の2作。その視聴者数がいずれも1,700万人台であることを考えると、『ツイン・ピークス』の視聴者数がいかに桁違いだったかお分かりいただけるだろう。

日本ではWOWOWが1991年から放送を開始。幻想的で不可解なデヴィッド・リンチの世界観は、視聴者を魅了し、熱狂的なファン「ツイン・ピーカー」を生んだ。缶コーヒー「ジョージア」とのコラボで、デヴィッド・リンチや主要キャストが出演し、日本独自の事件を解決するCMが作られたこともあった。このCMはシリーズ化され、『ツイン・ピークス』の内容やキャストを紹介するイラストが入った『ツイン・ピークス』缶が発売されるなど、一世を風靡した。

「ツイン・ピーカー」たちは現在も活動を続けており、その最たるものが、「ツイン・ピークス フェスティバル」。1993年から現在に至るまで、毎年7月に催されており、世界各国の「ツイン・ピーカー」が集まるイベントだ。開催場所は、『ツイン・ピークス』のロケ地だった、ワシントン州スノコルミーとノースベンド。オープニング・シーンでおなじみの滝、クーパー捜査官常連のカフェなどは現在もここに残っており、「ツイン・ピーカー」の聖地と言っても過言ではない。「ツイン・ピークス フェスティバル」は有志のファンによって運営されているが、毎年、出演者がゲスト参加する数百人規模のイベントとなっている。今年は7月28~30日の日程で開催予定。約25年ぶりの新作を観たファンたちで盛り上がること必至だ。これほどまでにアツいファンを持つTVドラマは、ほかにないだろう。

前作の物語の軸となっていたのは、架空の田舎町ツイン・ピークスで発生した美貌の女子高校生ローラ・パーマー殺人事件。米連邦捜査局(FBI)のクーパー捜査官が真相を探る過程で出会うのは、後ろ暗い秘密を抱えた住人、奇妙なメッセージを告げる丸太おばさんことマーガレットや生前のローラが恐れていたキラー・ボブら、大勢の謎めいた人たち。クーパー捜査官が眠っているときだけ辿り着くことが出来る、現実と異空間を隔てる赤いカーテンの部屋、この世とは別の悪の世界ブラック・ロッジといった魔訶不思議な超常現象とも遭遇。意味深なエピソードが入り乱れ、物語が難解の一途を辿った結果、前作は最後まで謎を残したまま終了してしまう。

そのため、謎の解明に挑むファンへ向けた関連本『ツイン・ピークス/ローラの日記』『ツイン・ピークス/クーパーは語る』『Welcome to TWIN PEAKS/ツイン・ピークスの歩き方』が出版。ファンの好奇心をより一層かき立て、続編のウワサが絶えずささやかれることとなった。

新作『ツイン・ピークス The Return』は7月22日(土)よる9:00から。
⇒放送スケジュールはWOWOW公式サイトでチェック

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