内蔵LEDライトの効果を検証してみよう

「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」のもうひとつの個性は、レンズ前面にLEDライトを内蔵したこと。これによって、マクロ撮影時に被写体の影を目立たなくしたり、レンズ自体によって生じる影を明るく補正したりできる。

使い方は簡単だ。レンズ側面にある点灯ボタンを押すたびに、「OFF→両側点灯(強)→両側点灯(弱)」の順に切り変わる。また、ボタンを長押した場合は片側点灯になる。

LEDオフの状態。鉛筆の下側が影になったため、全体的に暗い印象を受ける

両側点灯(強)。影が目立たないように補正され、写真全体が明るいイメージになった。鉛筆の側面には、LEDによるリング状の光の反射がわずかに見られる

片側点灯(A側・強)。向かって左側が明るくなった。影は少し残っているが、メリハリ感を残したいときは、これくらいがちょうどいいだろう。両側点灯と同じく側面には光の反射が見られる

片側点灯(B側・強)。向かって右側が明るくなった。両側点灯やA側点灯では、鉛筆の側面にやや不自然な光の反射が見られたが、このB側点灯は影を抑えつつ、反射も目立たない

両側点灯と片側点灯のどちらがいいか、2段階の強度はどちらがいいか、といったことは被写体の向きや撮影の狙いに応じて判断しよう。上の鉛筆写真の場合も、これが正解というのは特にないが、私なら両側点灯(強)、または片側点灯(B側・強)を選ぶつもりだ。

素材感や立体感の表現にも役立つLEDライト

さらに、影消し以外の用途にも、LEDライトは重宝する。次のカットは、高さ7cm程度のロボット型ストレーナーを接写したもの。内蔵LEDを使わずに撮った1枚目は、被写体が暗く写り、立体感や素材感が乏しい写真になっている。

LEDオフの状態

両側点灯(強)。被写体が明るくなり、メタリックな素材感が際立った

片側点灯(A側・強)。被写体の向かって左側が明るくなった。立体感がよく出ている

片側点灯(B側・強)。被写体の向かって右側が明るくなった。こちらも立体的で、質感もよく出ている

見てのとおりLEDの効果はてきめんだ。光量があまり大きくないため、遠方まで光は届かないが、こうしたマクロ撮影では表現の幅を広げる強力な武器になる。

実を言うと冒頭で紹介したコインと赤ピーマンの写真でも、この内蔵LED機能を活用している。25セント硬貨の写真では片側点灯によって素材感と立体感を強調し、赤ピーマンの写真では両側点灯によって表面に光沢を与え、みずみずしさを際立たせている。

是非みなさんも、身近にあるさまざまな被写体で試してみるといいだろう。大接近することで、肉眼では気付かないような発見が楽しめるはずだ。最後のカットは、スケルトン型の懐中時計。撮っているだけでワクワクするような気分が味わえた。こうしたカットは動画で撮っても面白い。

絞り:F8 シャッター速度:1/15秒 感度:ISO100 WB:日陰 カメラ:EOS M3 レンズ:EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM

次回は、「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」のマクロ撮影以外の性能を見てみよう。

(マイナビニュース広告企画:提供 キヤノンマーケティングジャパン株式会社)

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