Fractal Designの水冷CPUクーラーが Core i7-6700Kを冷やす

それではZ170FDのPC内部を見つつ、スペックについて確認していきたい。搭載されているマザーボードは、"Skylake"こと第5世代Coreシリーズに対応したZ170 Expressチップセットを採用した、ASUSの「Z170-A」だ。いまやデジタル機器の総合メーカーとなったASUSのアッパーミドルモデルとなり、デジタル電源回路による安定性の高さや、USB3.1やM.2、SATA Expressなどの最新規格への対応など見どころが多い。

CPUには、Skylakeの最上位モデルとなる4コア/8スレッドのIntel Core i7-6700Kを搭載。定格4GHz、ターボ・ブースト時最大4.2GHzという高クロックで動作する上、(ユーザーの自己責任となるが)オーバークロックにも対応。温度も高くなりがちなこの2015年を代表するCPUに本領を発揮させるのが、Fractal Designのオールインワン水冷CPUクーラー「Kelvin S24」だ。液体を利用してCPUの熱を効率よくラジエーターに伝え、ファンによってケース外に排気するこのシステムにより、ターボ・ブースト時の性能を維持しながらCore i7-6700Kを利用できる。

搭載されているCPUは、IntelのCore i7-6700K。CPU-Zで見ると、その高い動作クロックが確認できる

Fractal Designの水冷CPUクーラー「Kelvin S24」を搭載。液体を利用してCPUの熱を移動させ、2基のファンで強力に冷やす

すべてのPCパーツを支える電源ユニットもFractal Design製。電源の省電力規格において80PLUS Goldを認証した「Edison M」シリーズの650Wモデルを搭載しており、余裕をもって全体を稼働させられる。また必要のないケーブルを取り外すことができるセミモジュラーケーブルを採用しており、すっきりした見た目と、エアフローの改善にも一役買っている。

電源ユニットはFractal DesignのEdison M 650Wモデル。セミモジュラーケーブルを採用しているため、見た目もすっきりとしている

静音性の高いASUS STRIXシリーズのGeForce GTX 960を搭載

グラフィックスカードは、NVIDIAのアッパーミドルGPU「GeForce GTX 960」を採用したASUSの「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」だ。フルHDという現在主流の解像度において、ハイエンドモデルに匹敵するグラフィックス処理能力を実現できるGTX 960は、パフォーマンスとコストを両立した非常にバランスの良い製品といえるだろう。ASUSのSTRIXシリーズは静音性を特に重視したシリーズとなっており、このGTX 960を静かに、そして安定して動作させてくれる。

メモリはSlylake世代で新たに採用されたDDR4だ。サイコムといえばテスト済みの高品質なメモリを採用していることで有名だが、こちらもサイコムが安定性を認めたCoresair製。Vengence LPXのDDR4-2133、8GB×2枚が搭載されており、16GBという余裕のあるメモリ空間で作業が行える。

グラフィックスカードは、NVIDIA GeForce GTX 960を採用したASUSの「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」。静粛性の高さが特徴だ

黒いヒートシンクが取り付けられたCoresair Vengence LPX。DDR4-2133となり、8GB×2枚、計16GBが搭載されている

速度と容量を両立させる、SSD&HDD2台構成

ストレージは、専用のトレイを介して金属ケージに取り付ける仕組み。トレイだけでなくケージ自体を取り外すことができるため、グラフィックスカードの冷却を重視したい場合や、別途水冷用ラジエーターを取り付ける場合などにも柔軟に対応することが可能だ。試用機に搭載されていたストレージは、SSDとHDDそれぞれ1台。SSDによって体感速度が大きく上昇することはすでにご承知と思うが、まだまだ容量が不足する可能性があるため、HDDをあわせて搭載しているのはうれしい。ストレージベンチマークソフト「CrystalDiskMark 5.0.2」にてそれぞれの速度を検証したので、参考にしてほしい。

ストレージドライブは、金属トレイに取り付けてからケージに挿入する。必要に応じてケージ自体を取り外すことも可能だ

Windows 10がインストールされている東芝製SSDと、CrystalDiskMarkによるベンチマーク結果。HDDと比べて圧倒的なアクセス速度を実現しており、体感速度も大きく向上する

データドライブとして用意されているSeagate製のHDD。SSDが普及してきた今、速度こそ見劣りするものの、安価に大容量を実現できるのはまだまだ魅力だ