長年の愛用者も多い定番バックアップソフト「Acronis True Image」の最新版となる「Acronis True Image Cloud」(以下、True Image)。ショート連載の第1回では基本となるイメージバックアップ、第2回では最新版の大きな特徴であるクラウド機能を紹介してきた。最終回となる第3回では、便利な機能やちょっとしたTips的な使い方を取り上げよう。True Imageのラインナップと価格、基本的な機能とクラウド機能は、第1回と第2回を参照いただきたい。

【第1回】バックアップを忘れていませんか? - 定番ソフト「Acronis True Image Cloud」の魅力
【第2回】容量無制限のクラウドにiPhone/Android/PCをバックアップ! - 「Acronis True Image Cloud」を試してみた

True ImageブータブルUSBメモリを作っておく

True Imageをインストールすると、PCのバックアップもリストアも、Windows上から実行できるようになる。とはいえ、何らかのトラブルでWindowsが正常に起動しなくなる可能性もゼロではない。

そんなときに役立つのが、True ImageのブータブルUSBメモリだ。このUSBメモリをPCに装着してPCの電源を入れると、Windows OSではなく簡易版のTrue Imageが起動する(ノートPCでもデスクトップPCでも同じ)。そこから以前のバックアップをリストアし、Windowsが正常に動作していた状態へと簡単に戻せるわけだ。

PC全体やシステムドライブの定期的なイメージバックアップとともに、True ImageブータブルUSBメモリの作成は必須だ。True ImageブータブルUSBメモリに必要な容量は約500MBなので、使わなくなった古いUSBメモリを活用するのもよいだろう。

(1)PCに空っぽのUSBメモリを装着してから、True Imageのメイン画面で「ツール」-「レスキューメディアビルダ」を実行

(2)「ACRONISブータブルレスキューメディア」を選択

(3)PCに装着しているUSBメモリを選択

(4)画面右下の「実行」をクリック

(5)しばらく待つと、True ImageのブータブルUSBメモリが完成する

(6)True ImageのブータブルUSBメモリから起動するには、PCのBIOS/UEFI設定が必要な場合がある。詳細はPC本体のマニュアルを参照してほしい

(7)True ImageのブータブルUSBメモリで起動したところ。「Acronis True Image 2016」または「Acronis True Image 2016(64bit)を実行

(8)True ImageのブータブルUSBメモリから起動した、簡易版のTrue Image。バックアップやリストア(復元)のほか、いくつかのツールが使える

(9)「復元する」-「ディスク」を実行したところ。USBストレージに保存したイメージバックアップからもリストアできる

Acronisスタートアップリカバリマネージャを有効化する

Acronisスタートアップリカバリマネージャを有効化する

True ImageをインストールしたPCでは、「Acronisスタートアップリカバリマネージャ」を有効化しておくとよい。有効化すると、PCの起動時にF11キーを押すことで、Windowsよりも前に簡易版のTrue Imageが立ち上がる。これはTrue ImageのブータブルUSBメモリで起動するTrue Imageと同じものだが、ブータブルUSBメモリが不要である点がメリットだ。

「なら、True ImageのブータブルUSBメモリもいらないんじゃ?」と思うかもしれないが、PCの内蔵ストレージに重度の不具合が生じると、Acronisスタートアップリカバリマネージャすら起動しないケースも起こりうる。こんなときのためにも、やはりTrue ImageのブータブルUSBメモリは作成しておくべきなのだ。