ベンチマークによって、Adobeのサブスクリプション型サービス「Creative Cloud 2015」の魅力をお伝えしている本稿。第4回は、4K解像度に対応し、バージョンアップごとに映像編集ソフトとしての魅力が増している「Premiere Pro CC 2015」をご紹介する。なお今回はこれまでのベンチマークから少々趣きを変え、比較対象として他社製の映像編集ソフトを用意した。比較対象を他社製ソフトとした理由は、CS6ではネイティブサポートされていない、4K解像度のXAVC(MXF形式)を4Kフォーマットに書き出す作業を行ったためだ。Premiere Pro CC 2015は、他の著名なソフトと比べて、速度面でどのようなメリットを備えているのだろうか。

Windows 7のワークステーションをメインとしYosemiteの新旧マシンも用意

ベンチマークテスト用の検証環境としては、Windows 7搭載機としてHPの「HP Z420 Workstation」(2012年発売)および「HP Z440 Workstation」(2014年発売)を主に利用。「Premiere Pro CC 2015」と他社製ソフトを比較している。合わせて、MAC OS X搭載機でもAppleの「Mac Pro (Mid 2010)」および「Mac Pro (Late 2013)」にて「Premiere Pro CC 2015」のみを参考値として計測した。これまで同様、Mac Pro (Mid 2010)に関しては、OS X 10.10.4 YosemiteへとOSをアップグレード済みとなる。また各ベンチマークテストはそれぞれ10回ほど同じテストを繰り返し、数値の優れている3回のデータを抽出、その平均値を算出した。

写真左:HP Z420 Workstation。右:HP Z440 Workstation

写真左:Mac Pro (Mid 2010、右:Mac Pro (Late 2013)

4K以上の高解像度への対応を進めると同時にエンコード速度も向上

液晶ディスプレイの高解像度化が進行するにつれ、デジタルビデオカメラも4K(3860×2160ドット)への移行が急速に進んでいる。となれば、撮影機材の進化とともに対応が求められるのが映像編集ソフトだ。Adobeは、そんな超高解像度時代に向け、映像編集ソフト「Premiere Pro」においてRED、XAVCといった4K、5K、および6Kへサポートを拡大、多くのフォーマットをネイティブ操作できるようアップグレードを行っている。またGPUを利用したアクセラレーションの最適化やCPU処理の効率化を行い、4K映像編集のパフォーマンスを積極的に向上させている点も見逃せない。その効果はバージョンアップごとに向上しており、現在では他の映像編集ソフトすら凌駕する処理速度を実現しているという。さっそくベンチマークで確かめてみよう。

MXF形式で保存された4本のクリップをタイムラインに配置し、メディアへの書き出しを行う

XAVC Intra 4K Class300、標準設定にて実行。他社製ソフトでも同等の設定で書き出しを行った

Windows環境では、トータル15分の長さの4K映像データをファイルに書き出すベンチマークを行った。タイムラインは、容量661MB/580MB/433MB/394MBというMXF形式で保存された4本のクリップから構成されている。こちらを標準品質、XAVC Intra 4K Class300にて書き出しを行い、ファイルとして保存されるまでの時間を計測した。比較対象は、長い歴史と多くのユーザーを抱え、放送業界などでの採用実績が多い、あの純国産映像編集ソフトだ。

書き出しを実行するとプログレスバーと時間が表示されるため、パフォーマンスは一目瞭然

作業を開始すると、アプリケーション上でプログレスバーと時間が表示されるため、完了するまでの時間は明確だ。他社製ソフトでは、Z420/Z440ともにエンコードからファイルが保存されるまでの時間が1分を超えたが、Premiere Pro CC 2015では30秒前後で全行程を追えることができた。新機種・旧機種ともに2倍を超える速度を実現しているため、より長尺な映像を編集する際には、節約できる時間は更に大きく広がるだろう。

Windows 7での「XAVC/4K書き出し」速度比較

Mac OS環境でも、Windows環境同様に、MXF形式ファイル4本からトータル15分の長さの4K映像データを作成するテストを行う。こちらの比較対象は、元Premiere開発グループが他社に移って開発し、近年ではハリウッド映画の制作にも使用された、あのMac用動画編集ソフトだ。ただし、Mac用映像編集ソフトの仕様に合わせ、こちらのベンチマークではH.264の4K設定にて書き出しを行った。

H.264、4K、59.94p、標準設定で書き出しを実行。他社製ソフトにも同等の設定を行った

Mac Pro 2010/2013では、他社製ソフトと比べた時の新旧機種の書き出し速度の伸び率に差が出ている。Mac Pro 2010でも約1.8倍とかなりの効果があるのだが、Mac Pro 2013ではさらに大きく速度を上げており、約2.4倍もの速さで書き出しを終えることが可能だ。もともとのスペックの違いもさることながら、2013に搭載されたハードウェアが、よりアクセラレーションを有効に活用できるということだろう。

Mac OS Xでの「XAVC/4K書き出し」速度比較

高解像度映像をストレスなく編集し書き出せる「Premiere Pro CC 2015」

Adobe Creative Cloud 2015 ベンチマークレポート Part.3では、4K解像度への対応を進めると同時に、エンコード処理速度をも大幅に向上させたPremiere Pro CC 2015についてお伝えした。来たる4K~6K制作現場を見据え、編集機能を充実させるとともにエンコード速度をも向上させたPremiere Pro CC 2015。ぜひ一度体験版にて、その高速な高解像度映像編集を試してみてほしい。

Creative Cloudがどれだけ凄いかCS6と比較! 新旧のWindows/Macでチェックしてみた


■Part.1:Photoshop編 ~機能の追加とともに細かいツールへの最適化を実現~
■Part.2:Illustrator編 ~GPUパフォーマンス機能強化、オペレーションの簡略化~
■Part.3:Lightroom編 ~大量のRAWデータもストレスなく高速に現像可能~
■Part.4:Premiere編 ~高解像度映像をストレスなく編集し書き出せる~
■Part.5:InDesign&Dreamweaver編 ~64bitアーキテクチャによりパフォーマンス向上~

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