:具体的にはどれほど違うものなのでしょうか。

加藤氏:メモリの限界が約4GBである32ビット環境では、フルHDの映像で、RAMプレビューはせいぜい5秒程度しか書き出せませんでした。5秒の書き出しを何度も繰り返してチェックしていたわけです。しかし、24GBメモリの環境ならば1分以上プレビューできます。このほか、マルチプロセッシングとシングルプロセッシングを選べるのも便利ですね。細かいレンダリングや、ちょっとした画像処理はシングルプロセッシングのほうがレスポンス良く動いてくれる場面が多いので、主にアイデアをまとめて行くような序盤の作業ではシングルプロセッシングを選択しています。普段はシングルプロセッシングで、映像を最終的に書き出すときはマルチプロセッシングなどと使い分けています。

田村氏:After Effectsにはプラグインでさまざまなエフェクトが発売されていますが、時間のかかるプラグインエフェクトは作業効率の問題から避ける傾向にありました。映像制作は時間との勝負ですので、処理時間を短縮できるパフォーマンスの良いエフェクトを別途選択して使用していた程です。しかし、この最新モデルなら、処理に時間のかかるエフェクトでも、マシンパワーで補ってくれるので、エフェクトの処理時間を気にせずに使おうと思いますね。

:ADOBE CREATIVE SUITE 5で搭載された機能で大きな注目を集めている、GPUで映像を処理する「MercuryPlaybackEngine」がありますが、その効果は感じますか?

加藤氏:再生が速い。タイムラインに並べたものを再生するまでの速度が非常に速くなっていると感じます。特に4K2Kなどの高画質な映像では、いままでのマシンではコマ落ちすることもありましたが、最新モデルではスムーズに再生できます。マシンパワーの向上もあるかと思いますが、4K2Kの映像でも2分の1画質でプレビューできるのに驚かされました。いままでのマシンでは8分の1または16分の1画質まで下げて、ようやく実用レベルでしたから。

ADOBE CREATIVE SUITE 5の大きな魅力である「MercuryPlaybackEngine」

田村氏:これなら、RED Rocket(注:RED ONEで撮影した4Kデータをリアルタイムにデコード/ディベイヤーできるボード)などがなくても十分ネイティブでの編集に耐えられますね。驚くべきことです。これだけの処理はCore 2 Quadでも無理ですね。例えば、キヤノンの「EOS 5D Mark II」で撮影したフルHD動画も編集に適したProRes形式に変換するFinal Cut Pro(アップルの動画編集ソフト)に読み込むためのプラグインがあります。編集するためには撮影データをまず変換するのが、いままでは大前提でしたが、この最新モデルなら変換の必要がなく、ストレスなくムービーの再生、編集が可能になりますね。作業効率を重視するユーザーにも魅力を感じる人は多いと思います。

:プロ向けと呼ばれる液晶ディスプレイもありますが、今回の最新モデルで使用している27型ワイド液晶の「iiyama PLE2710HDS-B1」の使い心地はいかがでしょうか。

加藤氏:27型の大型ディスプレイは見やすいと社内では好評です。色の再現度が非常に高いディスプレイもありますが、映像の編集をやっているクリエイターは画面の色はあまり信じません。最終的に出力して確認するマスターモニターの映像が絶対的な基準になりますので、作業用のディスプレイはある程度見やすければいいということになります。

中央にある大型液晶が「iiyama PLE2710HDS-B1」。右にあるのがマスターモニター

田村氏:その点、iiyamaさんの液晶はノングレアなので目も疲れませんし、高い品質ながら、単体での価格も安くて作業用としては十分ですね。写真など静止画で色の再現にこだわるならともかく、私も映像編集ではわざわざ高価なディスプレイは必要ないと思います。キャリブレーションなど色の設定を保つのも手間ですし。もちろん、これはマスターモニターと並べて作業をしていることが前提です。個人で編集をしている人など、マスターモニターのない環境では、色の再現度の高いディスプレイの価値はあると思います。

:USB3.0もサポートしていますが、利用を考えていますか?

加藤氏:編集したデータを外付けHDDにコピーして、撮影現場でノートPCを使って作業といったこともありますので、USB3.0に対応する外付けHDDを使えば、単純にデータのコピー時間が短くなるのはうれしいですね。それに、データ転送の速さを活かせるカメラなどの撮影機器が出てくればいいのですが、それは今後に期待ですね。

:ありがとうございました。

プロの現場で使うマシンといえば「ワークステーション」という概念を見事に打ち砕いてくれるのがマウスコンピューターの「クリエイターモデル」。ワークステーションと同等かそれ以上の性能を実現しながら、価格はグッと安いと圧倒的なコストパフォーマンスを実現しているのが大きな魅力だ。最前線で映像編集をやっている人たちが驚くほどの性能を発揮するクリエイターモデルと、ADOBE CREATIVE SUITE 5の組み合わせ。映像編集の処理速度に不満を感じているならば、ぜひ一度チェックしてほしい。

(マイコミジャーナル広告企画)

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