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「$RECYCLE.BIN」フォルダーごと削除する

「ごみ箱」の実体である「$RECYCLE.BIN」フォルダーを開くと、「S-1-5-21……」で始まるアクセスできないフォルダーがいくつも並ぶことがある。通常はユーザー操作で「ごみ箱」に捨てられたファイルやフォルダーが含まれるはずだが、未使用のSID(セキュリティ識別子)を名前に持つフォルダーが残ってしまう。HDDを最初に使ったOSとは異なるOSで、そのHDDを使うときに発生しやすい。今回はこの状態の解消方法を紹介する。

筆者はWindows 10 Insider Previewを日常的に使用し、頻繁にOSを更新することから、このようなケースが発生したと思われる。まもなく登場する機能更新プログラム「Windows 10 Fall Creators Update」適用時に同様のトラブルが発生した場合は参考にしてほしい。

SID「S-1-5-21-1829824376~」で始まる環境ながらも、「S-1-5-21-2943418493~」という名前のフォルダーが「$RECYCLE.BIN」に残っている

上図でプロパティダイアログを示したのは、作成日時を見てもらうためだ。更新日時も同じ日時だが、使われた形跡もなく、SIDが異なるため基本的にはアクセスできない。

中身は空のため、ストレージ容量をひっ迫するようなことはない。また、「ごみ箱」自体の動作にも支障ないが、破損状態と判断して構わないだろう。この状態を改善するには、「$RECYCLE.BIN」フォルダーを削除すればよい。

検索ボックスに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリック/長押し。「管理者として実行」をクリック/タップ

ここではEドライブを例に操作を実行するため、コマンドプロンプトに「rd /s /q E:\$RECYCLE.BIN」と入力して「Enter」キーを押す

これで削除完了だが、操作はまだ終わらない。「ごみ箱」の構造を再構成させるため、ごみ箱フォルダーを一度開く必要がある。

「Win」+「E」キーを押すなどしてエクスプローラーを起動し、「ごみ箱」フォルダーをダブルクリック/タップで開く

その後、問題が発生していたドライブの「$RECYCLE.BIN」フォルダーを開くと、不用なフォルダーを削除できたことを確認できる

ごみ箱の再構成は環境によって所要時間が異なり、HDDの場合は数秒かかることがあった。なお、「ごみ箱」フォルダーに入っているファイルやフォルダーは、「rd」コマンドを実行しても対象外になるらしく、削除されないようだ。

阿久津良和(Cactus)