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ストレージセンサーの実体は「ディスク(の)クリーンアップ」
筆者の周りに「ごみ箱」を一時的な保存領域として利用する友人がいる。数カ月に1回は事務所を訪れてメンテナンスを請け負っているのだが、「(今取りかかっているプロジェクトの)ファイルが見当たらないので、そのままにしてほしい」と拒否されてしまう。
PCの使い方は人それぞれ。ごみ箱を「ファイルを削除する前のフォルダー」として扱うことに問題はない。だが、PCのメインストレージの空き容量を示すグラフは既に真っ赤。ストレージの空き容量を普段から気にしていないユーザーは、意外に多いのである。
Microsoftが収集するテレメトリーデータを目にした訳ではないが、Windows 10 Creators Updateの新機能「ストレージセンサー」は、ごみ箱を空にせず使い続けるユーザーが多いことを理由に実装した機能かもしれない。ストレージセンサーは、「ごみ箱に入れて1カ月を過ぎたファイル」と「マイアプリで使用されていない一時ファイル」を自動削除する機能だ。
削除対象は「空き領域を増やす方法を変更する」ページで選択し、既定では両項目が有効になっている。ここでいう「マイアプリ」とは、PCにインストールしたUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションだ。
機能だけ見ると、解説はこれで終わりになってしまうが、興味深いのがストレージセンサーの動作である。ボタンをクリック/タップすると「ディスク(の)クリーンアップ」で知られる「cleanmgr.exe」をコマンドラインオプション「/autoclean /d C:」で起動し、OneDriveフォルダーのドキュメントフォルダーやダウンロードフォルダーなど、UWPアプリケーションをインストールしているストレージのチェックが始まる。
上図は「Process Monitor」でストレージセンサーの動作を検証したものだが、別ドライブにインストールした「Forza Horizon 3」に関する各フォルダーをチェックし、一時ファイルのみ削除する動作が確認できた。他方で、ディスククリーンアップを起動し、システムファイルのクリーンアップ項目を確認しても、ストレージセンサーが対象とする削除項目は見当たらない。
ディスククリーンアップはOSのバージョンアップに伴い、独自拡張を行ってきたツールであり、削除項目はレジストリエントリーで管理してきた。Windows 10 バージョン1703では、新たに確認できたオプション「/d」を使ってストレージセンサー機能を実現しているのだろう。
阿久津良和(Cactus)