それはたしかにそうだけど、わざわざ言わなくてもいいのに……という余計なひと言ってあると思います。

男同士だったら笑って終わりかもしれないことでも、相手が女の子の場合、思っていたとしてもわざわざ言わなくてもいいことや、あえて自分が言う必要はないのでは? というようなこともあるものです。

今日は、女の子に対して「ここは黙っておこう」というポイントについて考えてみることにします。まずは、女の子側の体験談から。

会社の飲み会の帰り道、気が合う女子メンバーでお茶をすることになったのですが、その中に帰る方向が一緒の男子Cくんがひとりまじっていました。彼はわりとサラッとした中性的なタイプで女子受けが悪い人ではなかったので、女子にまじって自然とお茶の仲間に加わりました。

飲み会の後でお酒が入っていたこともあり、女子同士の会話だったので、男性の先輩や上司、同僚について語るわりと本音のトークになってしまいました。

話の中心は、やさしくて気がきく独身の先輩男子のAさんのこと。

「いつもわざわざ通路に近い、人の出入りが激しい席に座って店員さんに注文とかしてくれているよね」

「私なんか、お店のドアの近くに座っていたから『寒くない?』って心配されて、お店の人に聞いてブランケット借りてもらったもん」

「ドア開けておさえて待ってくれてたり、重い荷物を持ってるとさりげなく持ってくれたり、ふつうにやってるよね」

「今日は、手袋かわいいね。オレ、そういうの好きだなって言われちゃった」

「ホメ方がいいよね。小物とかホメられるとうれしくない? 細かいとこのおしゃれを見逃さずにいてくれてるんだって思って」

「そうなの。ホメ方がいつも同じじゃなくて、オリジナリティがあるよ」

「かわいい子ばっかりロコツにホメるわけじゃないしね」

「どんな人でもさ、人のいいところを見ようとしてるんだろうなっていうのがわかる」

「別に女子にだけやさしくしてるわけじゃないんだよ。全員に気配りしてくれてるの」

「そうそう。そうなんだよねぇ」

「さっきも、男性陣は3次会行く感じだったのに、自分は酔っぱらっちゃった後輩男子を送っていったもんね」

「面倒見いいんだよ」

というように、Aさんをホメたたえる話が続いていると、Cくんが、「あーあ、けっきょくイケメンが好きってだけじゃん」「あの人、けっこう女関係だらしないですよ」「荷物持つとか、ドア開けておくとかそういう表面的なやさしさで判断されるのはちょっとなぁ」と口をはさんできたので、なんとなくシーンとなってしまい、お茶はそこでお開きになりました。

後で、女子だけで話もしたのですが、私は別にAさんを好きとか狙っているわけではないので、仮に彼が本当に女性関係でだらしがなかったとしても、それは彼の問題。あれくらいモテていたら、彼の望むと望まざるにかかわらず、女性関係でもめごとも起きちゃうのかもしれません。

それから、自分の彼氏になる人とか、好きな人だったら、重い荷物を持ってくれるとか、ドアを開けてくれるとか、そういったことだけで好きかどうか判断はしない。でも、会社で仕事上だけの付き合いの人だったら、そういうやさしさを出せるのと出せないのとでは出せる男子のほうが仕事においていいんじゃないと思うし、女性と敵に回さない人のほうが仕事もやりやすくなると思う。

Cくんが女同士の話に入ってきて、興ざめするようなことを言っちゃうタイプとは思わなかったんだけど、それは私たちの判断ミスだし、いかに中性的にみえても男子のいる場でああいう話はしないほうがいいと勉強になりました。

それにしても、男子が同性である男性のことを悪く言うのって聞いててなんだか困ってしまいます。自分のことはタナに上げて、女子の容姿を批判する男子はもってのほかだけど、男の人のことを悪く言うのも、ちょっとなぁっていう感じです。

◯女子同士の話には、口をはさまないようにする。女の子だけの話に加わってしまったときは「うんうん」「そうなんだ」「そうかな?」と相槌だけにして、自分の意見などは基本言わないようにする。

自分も会話に加わっているのに、なぜ発言してはいけないのだ? と思う男子もいるかもしれませんが、女の子同士の会話はあくまでも女の子同士の会話にすぎません。男性が参加を認められたのは、あくまでも第四の審判的な立場での参加。試合をして、フィールドに立っているのは女の子たちなのですから、やさしく見守ってあげてほしいところです。

◯男同士の感覚で「こいつって、すごい音痴なんだよ」などと同性である男子を悪く言わない。

男同士は、お互いを悪く言いながらいちゃいちゃする。子犬同士の取っ組み合い的なやりとりが親愛の証かもしれませんが、女子にはそういったものが伝わらないことが多いものです。

男きょうだいがいる女の子でしたら、かろうじて理解してくれる可能性がありますが、女姉妹で育った女子やひとりっ子女子にはほとんど通用せず、ただただ、(自分の友だちのこと悪く言うなんて……、男らしくない……)と思われてしまうことも。女の子がいるときは、いつもより控えめにじゃれあう、男同士ってこういうものだよと解説をつけるといいかもしれません。

◯けっきょく、そういうことなんだぁと女子の話を終わらせたり、結論付けたりしない。

よく、女子の話に、「それで、オチはどこにあるの?」「え、それって結局こういうことが言いたいんだよね」と言う男子がいますが、あまりいいこととは言えません。女の子は話しながら自分のアタマを整理したり、話のオチなど求めておらず、ただ単にずっと話していたかったりする生き物。そこのところを理解して、うんうん、そうなんだねと女子の話をずっと聞いてあげてほしいところです。

言わなくてもいい余計なひと言のせいで、せっかくのオレのやさしさや親切も、彼女からしてみるとなんだかありがたみが減っちゃったかな、ということもあるものです。忘年会やコンパの席では、聞き上手に徹して女の子の話を笑顔で聞いてあげるといいと思います。

酒井冬雪です。実際は頼みを聞いてくれて、すぐに行動を起こしてくれるのに「ええー、いやだよ。面倒くさい」「オレが? そんなのやるわけないじゃん」というようなことを言わずにおれない男子の対応に困っています。

もしかしたら「お願い、手伝って」とかわいく頼まれたり感謝されたりしたいのかもしれないのだけど、それならそうと言ってくれないと……。来年は男心を察することができるようにがんばりたいところです。では、よい週末を!