Mac内の不要なデータを消す、総合メンテナンスツール
【2008年8月号掲載】



スペック

[発売元] アクト・ツー [価格] ダウンロード版:6,800円、アップグレード版(ダウンロード価格):2,800円 [OS] Mac OS X 10.4 以上(Mac OS X 10.5対応) [メモリ] 256MB以上 [備考] PowerPC G3以上、およびインテルプロセッサ搭載のMacに対応 [掲載号] 「Mac Fan」2008年8月号

OVERVIEW

Macを使い続けていると、いつのまにか不要なファイルが澱のように溜まってきて、ハードディスクを圧迫してしまう。定期的にチェックして削除すればいいのだが、ついつい面倒で放置してしまうケースがほとんど。そんなユーザにピッタリなツール「Spring Cleaning(スプリングクリーニング)」がバージョンアップし、新たな機能を搭載した。

本製品の特徴は、ハードディスクの各所に眠っているファイルやフォルダを探し出し、削除するというもの。アーカイブを見つけ出す「Archive Finder(アーカイブファインダ)」や重複するファイルを探し出す「Duplications Finder(デュプリケーションファインダ)」など多くのツールがセットになっている。

(1) システム環境設定に似たインターフェイス
メインのウインドウには、ジャンルごとにタブで分類した各ツールのアイコンが並んでいる。[除外]や[保存]などの作業も、すべてここから行える

さらに本バージョンでは、ユニバーサルアプリからPowerPCもしくはインテルプロセッサどちらか不要なほうのコードを削除してアプリケーションのサイズを小さくしたり、アプリケーションとファイルの関連づけを再構築するなど、新しいツールが追加された。

FOCUS ON

手作業で不要ファイルを削除する場合、自分で作成したファイルやフォルダなら要不要が判断できるが、システムがらみのものだと削除しても大丈夫なのか判断できない場合が多い。しかし、本製品なら見つかったファイルやフォルダを単に削除するだけでなく、場所を移動したりアーカイブして保存しておくこともできる。また、一部の処理を取り消せる[リストア]も用意されているので、万が一の場合も安心だ。

(2) まずは場所や条件を指定して検索
ツールアイコンをクリックするとウインドウが開く。まずここで条件を指定して、該当するファイルやフォルダを見つけ出そう

(3) 見つかったファイルやフォルダを処理
条件と一致したファイルやフォルダが見つかったら、アクションメニューからファイル操作を選ぶ。単にゴミ箱に捨てるだけでなく、移動したり圧縮などの処理も選べる

同じ名前のファイルが見つかったときでも、アクションメニューから[QuickCompare]を選べば、データやリソース、属性などの項目でお互いを比較して、どちらが不要なものかが判断できる。このように、うっかりミスによる削除をある程度防止できる設計になっているのは、使う上で安心感を与えてくれる。

長年Macを使い続けている人こそ、不要なデータが蓄積しているはず。それが気にならない人ならそのままでもいいが、無駄なファイルをなくしてハードディスクを少しでも効率的に使いたいという人や、使わないファイルが増えていくのが気持ち悪いという人はこのツールを使ってみよう。手作業でファイルを捨てていくよりもずっと手早く、しかも安全にハードディスクの掃除ができるはずだ。

(4) 削除ツールとメンテナンスツールが凝縮
さまざまな条件でファイルやフォルダを検索して処理する各種クリーンアップに加え、マシンのメンテナンスやスケジュールなどの機能もある。もちろんLeopardにも最適化されている

AFTER REVIEW

バージョンナンバーを見てもわかるように、Mac用のユーティリティとしては歴史のあるツールだ。しかし、バージョンアップのたびに機能を追加してきた結果、単なる個別ツールの集合体になってしまった感がある。個々のツールは便利なものが揃っているが、定期的に実行したほうがよい項目をまとめておき、1度に実行するような仕組みにすると、より頼りがいのあるツールになったと思う。