このところ、タッチ式の液晶パネルを採用した製品が増えている。代表的なものはもちろんスマートフォンだが、それ以外にも、カーナビやデジタルカメラ、中にはオーディオ機器といった製品にまで、タッチ式の液晶パネルを搭載しているものがある。

スマートフォンが普及し、その操作体系に馴染んだ人が増えた結果、他の機器でもスマートフォンライクな操作体系を実現するためのデバイスとして、タッチ式の液晶パネルが使用されるケースが多いようだ。

スマホのタッチパネル汚れ、どうしてますか?

タッチ式の液晶パネルの場合、操作をするには直接手で触れる必要がある。当然、液晶パネルは皮脂などで汚れていく。この汚れを落とすのはなかなか面倒だ。このような汚れが付きにくくする製品として話題になっているのが、2014年11月にキングジムが発表した「iガラコ」だ。

「iガラコ」

iガラコは、スマートフォンのタッチパネル用のコーティング剤。自動車のフロントガラス用コーティング剤でトップシェアを持つソフト99とキングジムが共同開発した製品だ。製品の外見も、ソフト99がリリースしている自動車用の「ガラコ」をそのまま小さくしたようなデザインを採用している。

下の写真が、コーティング前のスマートフォンだ。写真では分かりにくいかもしれないが、液晶パネルはかなり汚れが目立っている。

写真ではわかりにくいが、液晶パネルにはかなり指紋などの汚れが付着している

液晶パネルにiガラコを直接塗布して、ティッシュペーパーで拭き取り、2時間程度以上乾燥させることで、表面にコーティング膜が形成される。コーティング膜が形成されると、皮脂などの汚れをはじき、拭き取りやすくなるという。1回の塗布で、約1カ月間効果が持続する。というわけで、iガラコを塗布してみた。

iガラコを塗布してみた

塗布の際に1つだけ、注意しなければならない点がある。それは、塗布後に2時間以上きっちりと乾燥させることだ。乾燥時間が短く、コーティング膜が形成される前に触ってしまうと、塗布する前よりも指紋などの汚れが付きやすくなる。そうなると、また塗布からやり直しだ(実は、筆者も一度やり直した)。非常に分かりにくいのだが、2時間以上乾燥させた結果が、下の写真だ。

2時間以上乾燥させたスマートフォン

コーティング後の液晶パネルに触れてみると、やはり指紋などの汚れは付着する。この点は塗布前と変わらない。ただ、汚れが付いても、少し拭くだけで落ちるようになった。なかなか効果的な製品だといえるだろう。

左が指紋の付いた液晶パネル。右はティッシュで軽く拭いた状態。指紋などの汚れは簡単に落ちる

さて、このようになかなか効果的なiガラコだが、希望小売価格が1,800円(税別)と、少々高めだ。1本に3ml入れられていて、約20回使用できるということだが、「i」が付かないほうの自動車用「ガラコ」は、iガラコよりも圧倒的に容量が多いが、600円程度で販売されている。とはいえ、スマートフォン用に専用開発された製品ということで納得できなくもない。

大きい普通のガラコのほうが低価格

それよりも問題なのは、入手が困難という点だ。筆者はヨドバシ.comの通信販売を利用したが、注文してから届くまでに約1カ月かかった。キングジムによると、注文が多く生産が追いつかず、品薄になっているとのことだ。以前、Amazonのマーケットプレイスで、iガラコが1本3,400円という価格で出品されていたのを見たことがある。これはさすがにやりすぎではないだろうか。

なお、キングジムによると、現在増産を行っており、2月以降には増産分が市場に出回るとのことだ。なかなか便利な製品だと思うが、購入するのなら、市場で普通に入手できるようになってからでも遅くはないだろう。