不況でモノが売れないと「ぼやき」を耳にすることが多くなった。とはいえ、なんでもかんでも売れないわけではない。中には、むしろ不況のほうが売れ行きのよくなるものだってある。その一つが、今回紹介するホットプレートだ。

私が思うに、内食が続くと、主婦は「あ゛―、夕食の支度が面倒だ。たまには外でご飯が食べたーい」となる。とはいえ、節約をあきらめたくない。しかも、毎日節約を続けていると、時には豪華なものが食べたくなるものだ。

そんなとき、ホットプレートが重宝する。なにせ、「焼肉」なら、野菜を切って、肉を皿に盛るだけで準備完了。支度が簡単だけど、少々高級な肉を用意すれば贅沢気分を味わえる。それなのに、家で食べれば外食の約半分くらいの価格に抑えられる。しかも、子どもは大喜びで、「お肉! お肉! お肉が食べられるぅ」などと言って盛り上がる。ホットプレートは子どもと私の両方を幸せにしてくれる調理器具なのである。

人気商品の一つはパナソニックのIHホットプレート「KZ-HP2000」。もうひとつ商品をあげるなら、象印のホットプレート「やきやき」。やきやきでは、パネルを変えることで、焼肉と焼きそばなど、一緒にいろいろなメニューが楽しめる。焼きそばのソースがバター焼きに侵入して混ざって変な味になることもない。家族一人ひとりの好みが一度に実現する「わがままを許してくれる」ホットプレートだといえる。

象印ホットプレート「やきやき」。たこ焼き用プレート、ホットプレート、穴あき焼肉プレートと平面ハーフプレートをセット

アイデアがひらめく人

ところで、話は変わるが、仕事柄、ビジネス・パーソンにお話をうかがうことがよくある。先日、商品企画を担当している方にお目にかかった。その方は、次々とこれまでにない新しいものを思いつく人で、どうしたら、そんな離れ業ができるのか、不思議に思って聞いてみた。結論をいえば、ひと言で「これ」という方法はないけれど、とにかくいつでも企画のことが頭のどこかにあるようだ。まるで好きな人のことを想うかのように、ずっとずっと企画のことを考え続けている。そうしていると、お風呂に入ったときなどに、ポッと新しいことがひらめくという。たしかに、自分を含めてまわりの人を見渡してみると、何かを思いつく人の中には「ずっと仕事のことを考えている人」が少なくない。

IHホットプレート「KZ-HP2000」のIH部分

先の企画担当者に話を戻すと、新しい物事はときとして既存の組み合わせから生まれると言っていた。たしかに、これもときどき耳にすることだ。AとBを組み合わせることで、新しいCができあがる。先に触れたIHホットプレート KZ-HP2000はまさに二つのものを組み合わせたことから生まれた商品だ。ホットプレートの機能はそのまま、下の加熱部分がIHになっているのだ。

KZ-HP2000は2009年6月に発売になったばかりの商品で、一般的なシーズヒーター式ではなく、高火力の「IH加熱方式」を採用している。くわえて、新プレート工法というものを採用し、現時点ではIH加熱方式のホットプレートとして業界最大というプレートサイズを誇っている。どのくらい大きいかというと、2008年製IH調理器「KZ-PD1P」と比べて、約1.2倍の1,072cm2。プレートの隅のほうまで熱がいきわたるので、お好み焼き2枚を並べて焼けるようになった。ますます、内食向けにパワーアップしたといえる。

IHだから揚げ物もできるホットプレート

IH調理器の特徴は温度設定が細かくできるところが一つ。何に適しているのかというと、まずは温度設定が料理の出来不出来を左右する揚げ物だといえる。うっかりしていると、油の温度はどんどん上がっていく。揚げ物のときはこまめに油の温度をみていないといけない。ぐうたら主婦が苦手な「面倒くさい」行為を揚げ物では要求される。でも、IH調理器なら、温度を一定に保ってくれるので、ラクにしかも安心して揚げ物ができる。

細かい温度制御のおかげでクレープもこげずにキレイ

揚げ物をするときには、焼き物用のプレートを外す。そこに、別売の揚げ物用の鍋を乗せれば、普段揚げ物をするのと同じように調理できる。

冬といえば、やっぱり鍋?

子どもが小さいうちはやけどの心配が伴うが、ある程度大きくなっていれば、卓上で串揚げパーティも可能だ。これも、主婦としては準備が簡単で嬉しいメニュー。エビ、イカ、ウズラの卵にアスパラガス。好みの食材を串に刺して、パン粉、卵などを用意。あとは卓上で揚げていくだけ。目の前で揚げるので、アツアツのおいしいところをいただくことができる。IHだからできることはこれだけではない。ならではの機能を次回詳しくお伝えする。

イラスト:YO-CO