前回、「夏休み、子どもと一緒に過ごすのに適した家電」として、スイーツ家電を3点紹介した。これらクッキングトイといわれる玩具は親子のコミュニケーションに役立つ頼もしい商品だ。しかし、夏休みは長い。しかも、とかく人間はせっかく楽しいことがあっても、だんだん楽しみのレベルに対する要求がエスカレートしてしまうものだ。今ある楽しさでは満足できなくなる。もっと、もっと、刺激的なものが欲しくなるのだ。最初は家でたい焼きが食べられることやフルーツをチョコレートの泉につけることが驚きでもあった。でも、数回遊ぶと、それだけでは新鮮さが感じられなくなるのだ。

そこで、今回はさらにステップアップ。より満足感が高まるスイーツ家電は何かを考えてみた。子どもだけでなく、自分も楽しめるもの。しかも、夏休みに適したものとなると、何がよいか。夏をキーワードに考えをめぐらせて見た結果、「夏祭り」に関連した家電がいいのではないだろうかという結論に至った。お祭りといえば屋台だ。子どもはどうしてあんなに屋台で買い食いするのが好きなんだろう。いや、大人だって同じ、いまだに屋台をのぞくのは楽しい。みんなで楽しめるということで、今回は「お祭り家電」を集めてみることにした。

ネット上を徘徊して、お祭りで人気のある屋台のランキングを調べてみた。数カ所まわってみた結果、どのサイトでも上位に入っているものがある。それは「わたあめ」と「カキ氷」だ。焼きそばやお好み焼き、いか焼きなども人気だが、こちらは家電を利用してこしらえるというより、調理そのものである。なので、今回は「わたあめ」と「カキ氷」を作るための家電を紹介する。

簡単に作れるわたあめ

家庭用のわたあめ機は何種類か発売されている。が、「あめdeわたあめ」は、ちょっとだけ変わっているわたあめ機だ。多くのわたあめ機は、材料としてグラニュー糖を用いるもの。普段料理に使う砂糖だと、焦げ付いてしまうようだ。私が小さいとき、家にあったわたあめ機はザラメを入れるようになっていた。グラニュー糖にしろザラメにしろ、わざわざ用意するのって面倒くさい(またコレかっ)。買い忘れると遊べないので、不便なんである。しかも、グラニュー糖やザラメはわたあめ以外の用途ではあまり使わない。結局は余ってしまう。収納場所をとるし、挙句の果てに邪魔者扱いにされてしまう。グラニュー糖やザラメでなくてもOK! というわたあめ機があったらいいのにって思っていた。

「あめdeわたあめ」の外観

この「あめdeわたあめ」は、グラニュー糖は不要だ。でも、調理用の砂糖はやはり利用できない。なんと、材料に「あめ玉」を使うようになっている。馴染み深い、あの「あめ玉」である。あめ玉なら、おやつとして常備している家庭は多い。たとえ、わたあめで使いきれずに余ったとしても、おやつにまわせるから邪魔にならないのだ。

釜の部分にあめ玉を入れる

あめを入れたらフタをしめる

わたあめ機の真ん中にある釜にあめ玉をポトリ。スイッチを入れてしばらくすると、わたあめが出てくる。あとは割り箸に絡ませればできあがり。あめ玉は「コーラあめ」や「イチゴあめ」などでもよい。取扱説明書を読むと、あめ玉との相性があって、うまくできないものも場合によってはあるようだ。ぐうたら家では、カンロ飴のほか、イチゴとグレープ味のドロップで試してみた。いずれも上出来。イチゴやグレープあめだと、わたあめがほんのり色づき、もともとのあめ自体に含まれているフルーツの味が口の中に広がった。ついつい食べ過ぎてしまうぐうたら親子。ノンシュガーのあめを用いれば、ダイエットにもなる。次は低カロリーのわたあめを作ることにしよう。

スイッチを入れてしばらくするとわたあめが出てくる

小ぶりのあめで作った小さなわたあめ

わたあめ機全体にいえることだが、手入れは面倒くさい。「あめdeわたあめ」の場合、釜のまわりの部品を付属のドライバーではずして、洗う必要がある。使い方によっては、あめがこびりついているときもあるので、水につけ置きするなどの措置が必要だ。

それはそうと、「あめdeわたあめ」のもうひとつのウリは環境に配慮している点にある。第一は消費電力。従来の家庭用は200W以上であったのに対して、こちらの商品は60Wにまで抑えたという。また、使用しているプラスチックや金属パーツは有害物質を含まない証明を取っているという。食べものに関する機械なんだから、有害物質を含んでいる部品を使用しないのは当たり前のような気もするが…。まあ、取扱説明書を読むと、環境に配慮していることを強調しているのでその姿勢は悪いことではないはずだ。

手軽な価格帯が嬉しい

「アイスロボ3」。緑のフタの部分がスイッチになっている

それはそうと、もう一つのお祭り家電、カキ氷機。今回紹介する「アイスロボ」は、電動のカキ氷機だ。手でハンドルを回すのではなく、お祭りの屋台みたいに自動でカキ氷が出てくるマシンなんである。見た目、大きさは手動のカキ氷機と大差ない。天井のフタを開けて、冷蔵庫で作られた氷を入れるところも普通である。違いは、天井のフタがスイッチになっているところ。よく見ると、少しフタが浮いている。ぐっと押し下げると、氷が回転して、刃にあたり、かき氷が出てくる。業務用かき氷機器を手がける中部コーポレーションが家庭用に開発した製品というだけあって、舌触りはなめらか。シロップを3色用意してあげたら、娘は大喜びだった。

フタを開けて氷を入れる

3色カキ氷で夏を涼しく

価格は、前回お伝えしたシュガーバニーズ チョコファウンテンが5,250円。マイコミジャーナル価格情報(2009年7月17日現在)では3,780~5,250円で出ている。親子のたいやきくんが3,360円、マイコミジャーナル価格情報では2,251円~2,799円(同)だった。生キャラメルポットの価格は3,129円。マイコミジャーナル価格情報では、2,096円~3,129円(同)。

今回のお祭り屋台編で紹介した商品は、マイコミジャーナル価格情報によると、「あめdeわたあめ」は8,500円~15,750円、「アイスロボ3」は5,980円~10,290円。いずれも、数千円から1万円ちょっと出せば購入可能な商品だ。夏休みの暑さと子どもの世話で気持ちが沈みがちな人にとっては嬉しい商品だといえる。

イラスト:YO-CO