FacebookからリリースされているFacebook LiteとMessenger Liteが日本でも利用できるようになって話題になっている。どちらも、軽量版アプリの位置づけで、現状で提供されているフルバージョンアプリより、大幅にファイルサイズが小さく、動作も軽いという。

容量3.87MBのMessenger Lite。さすがにダウンロードとインストールの速さは印象的だ

文字サイズが変えられるFacebook Lite

Facebookによれば「インターネットの通信速度が低速の地域や、最新のデバイスを持っていないユーザーも快適に使うことができます」とのことだが、実際にインストールして使ってみたところ、さすがに日本のような高速インターネット接続環境で最新のデバイスを使っていると、その恩恵はあまり感じない。とはいうものの、ダウンロード、インストールもアッという間だし、シンプルで、流れるデータ量も少ない使い心地はちょっとした小気味よさを感じることも事実だ。

個人的にはFacebookアプリで文字サイズを変えられるようになっているのが嬉しい。デバイスによっては、いやがらせかと思うくらいに文字サイズが小さくなってしまうフルバージョンのFacebookアプリと比べ、この点だけでもありがたい。願わくば、大中小の3段階に加えて、特大、極大があるとうれしい。現行の大サイズは、文字サイズ調整のできないフルバージョンよりも文字が小さいのだ。

表示されるメッセージのレイアウト、ルック&フィールはまだこなれていないように感じる。あとほんの少し、メッセージ本文の左側にインデント的な余白を入れて、行間をもう少し確保できれば読みやすくなるのにと思う。なんてことを言っているから、フルサイズバージョンは、重いものになっていくのかもしれない。

スクリーンは大きくなっても、文字サイズは大きくならない

アプリと文字サイズの関係は、OSのフォントサイズ設定にもっと忠実になるべきではないだろうか。アプリごとに勝手にやっているのでは混乱してしまう。たとえばiOSにはDynamic Typeと呼ばれる機能があって、OS側で設定するだけで、その機能に対応したアプリはユーザーの望む文字サイズでコンテンツを表示する。

ところが、iOS版のTwitterアプリもFacebookアプリも、その設定を無視するのだ。Twitterの文字サイズ設定は、Dynamic Type的なもので、内部的には対応しているようだが、全体のレイアウトが著しく崩れるのを怖れてか、うまく機能していない(若干小さく表示される)。もうひとまわり大きなフォントが指定できてもよいのにと思う。

寄る年波には勝てずということで、iPhoneよりもiPhone Plusを選んだユーザーは少なくないと思うが、スクリーンサイズが大きくなっても、文字サイズが大きくなるわけではないのがiOSだ。購入後にそのことに気がついてがっかりしたユーザーも少なくないと思う。だが、それがiOSのよいところでもあるし、理にかなっている。

高齢化社会はこれからますます進む。写真はもちろん文字によって何かを伝えるという使命を担うアプリなのだから、そのあたりをもう少し考えてもよいのではないか。Liteバージョンの存在意義を理解してリリースするくらいなのだから、そういう面にも眼を向けてほしいと思う。もちろんこのことはGoogleマップなどのGoogleサービスについてもいえることだ。

(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)