楽天モバイルが割れスマホにサヨナラしようというキャンペーンを開始した。

画面が割れている「割れスマホ」を使い続けるユーザーは意外と多い

すでにキャンペーンは始まっていて、期間は4月19日までと短いが、店頭で画面が割れているスマホを提示して、端末+通話SIMを新規またはMNPで契約すると、月額料金が3か月無料になるという。

なぜ、同社はこんなキャンペーンを始めたのか。全国の20代から60代の男女500人を対象にスマホ破損の実態を調べる調査を行ったところ、実に、3割が破損した経験を持っているか現在も割れたまま使っていることがわかったからだ。ガラスを割った原因の74%は落下させたことによるという。

割れスマホは恋愛も仕事もダメダメ?

わかったのはそれだけではない。携帯電話のスクリーンが割れていると、その持ち主の印象が悪くなるらしい(調査結果PDF)。

楽天モバイルによる調査結果。携帯電話が割れている人の印象が「悪くなると思う」「やや悪くなると思う」と回答したユーザーは約44%に

調査結果からは「だらしなさそう」「仕事ができなさそう」「お金の余裕がなさそう」「不潔そう」といった厳しい声が聞こえてくる。そこまでいうかと思うが、どうやら人として恥ずかしいことのようだ。それどころか、30代女性などは「乱暴そう」と恋愛対象からはずしてしまいかねない声もある。

女性が回答する、割れスマホを持つ異性への印象。なかなか厳しい意見が並ぶ

つまり、割れスマホは恋愛にも仕事にもマイナスで、そのままでは昇進も結婚も望み薄というのが結論といったところか(楽天モバイル調べ)。その調査結果を受けての施策が今回のキャンペーンに発展したわけだ。楽天モバイルがその悲惨な評価に救いの手をさしのべようというシナリオだ。

スマホは割れないものじゃない

この調査、特に、楽天モバイルの契約者を対象に実施したものではなく、楽天リサーチに登録しているモニターによるものだ。大手キャリアの契約者であれば、その多くは補償サービスに入会しているだろうし、iPhoneならAppleCareに入っている可能性も高い。となれば、割れたら代替品と交換してもらっているだろう。

もしかしたら、交換したくない何か別の理由があったりするのかもしれない。LINEのメッセージ履歴が消えてしまうのがいやだとか、クラウドストレージを使うことを知らず、撮りためた写真がなくなるのを怖れているなどだ。だが、そういうことなら、キャンペーンにあるような機種変更もままならないだろう。

そもそも電車の中などを見渡せば、ケースをつけずにハダカでスマホを使っている人が珍しいくらいの世の中だ。頑丈なケースで覆われていれば、よほどのことがない限り、ガラスが割れたりはしないようにも思う。そのよほどのことを3人にひとりが経験しているのだから、スマホを作るベンダー側も、その状況をもう少し真剣に考えた方がよさそうだ。折りたたみガラケーが人気だった理由が今ならわかるような気がする。

(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)